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憧れの幼馴染  作者: 佐々蔵翔人
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苦手なのに

泣き虫カレシ

最終日、テーマパークに行きたいという柚那ゆずなちゃんと実夢姉みゆねえと共に向かう。帰りの高速バスを逆算して何時までならいられるのかを調べていた。その結果、多少余裕を持たせるために最寄駅を午後4時に出ようと伝えた。


柚那ゆずなちゃんは白のトッブスにミントグリーンのミニスカート、実夢姉みゆねえは水色のセットアップをしてホテルを出ようとすると余程気に入ったのかまたしてもバンダのカチューシャを頭に付ける。


カバンにはいちご電車、うめ星電車、おもちゃ電車の缶バッチを付けていて駅に向かう途中で知らない女の子から声をかけられていた柚那ちゃんと実夢姉。このキーホルダーやカチューシャ、どこで買ったのかと聞かれてネットでも買えるよと伝えて再び歩き出す。


この旅行でどれだけのかわいいグッズを買ったのか、和真かずまも分からなければ買った本人すら把握が出来ていないほどだ。それだけこの旅が充実していることが伺える。


開演直後に入ったのにも関わらず多くの人に驚く。どのアトラクションをどう行くかと前日にある程度シミュレーションをしていたが、どこを見ても長蛇の列に驚いていた。


小さい頃のトラウマでジェットコースターに乗りたくないと思っていた和真かずまがいた。自分の好きなところに付き合ってもらったからあまり強くは言えないが、極力乗りたくないと願っていた。


実夢姉みゆねえがあのアトラクション空いているよと指を指す。何メートル上昇するのか分からないジェットコースター。下から見るだけでも足が震えている和真かずま。バレないように半歩下がろうとした。


和真君かずまくん、ジェットコースター怖い?大丈夫だよ、何人乗りなのか分からないけど実夢みゆ柚那ゆずながいるし隣に座ってあげるから怖かったら手を握ってね」


そう声をかけてくれた実夢姉みゆねえ。真ん中で両方にいてくれるのが理想だが並び順によるから分からない。頼むからと願っている。


まさかの最悪な状況が起きてしまう。

横2列で多くの人を乗せたかったからなのか、柚那ゆずなちゃんと実夢姉みゆねえが一緒に乗って和真かずまは見ず知らずの人と乗ることになり、地獄の数分間を過ごした。終わって柚那ゆずなちゃん、実夢姉みゆねえと合流する。


「たまたまこうなったのは仕方ないけどさ、ジェットコースター乗るの怖いって言ってたからどっちか隣に座ってくれてもよかったのに……。だからジェットコースター乗りたくなかった」

人目をはばから和真かずまは泣いていた。


胸に抱き寄せてゴメンねと頭を撫でてくれた実夢姉。この姿を見たくてイタズラしちゃってゴメンねと言う柚那ゆずなちゃん。


その後は和真かずまを考慮してくれてメリーゴーランドやメリーゴーランド、全員が楽しめるような体験型アトラクションを途中でお昼を挟みながら楽しんでいた。夢中になって時間を忘れそうになってスマホを見るとそろそろ出る時間になる。


帰りの電車でホントなら乗りたかったアトラクションあったと思うのにゴメンと誤っている和真かずまがいた。柚那ゆずなちゃんからの言葉に感動する。


「確かに何のアトラクションを乗るのも大事だけど、誰とテーマパークに来るのかの方がもっと大事だよ」

この言葉に救われたし、また飛行機で両手を握っていた。


楽しみつつも柚那ゆずなちゃんや実夢姉みゆねえに迷惑をかけたなと思う旅になった。

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