宝庫
短い船旅
和歌山駅に戻って在来線に乗って数駅行った場所にある南海電車、和歌山市駅で下車をする和真、柚那ちゃん、実夢姉。ここで降りたのには理由があり、めでたい電車と呼ばれている加太さかな線に乗りたくてやって来た。
かわいい電車を見たく、乗りたいのもあるが単純にめでたい電車という響きに勉強やバレエで結果を残したいと肖かりたいという思いもあって和歌山電鐵ととっち先に行くか話し合うくらい話題に挙がっていた。
乗るのも撮るのも好きな和真にとって両方行ければ順番ばどちらでもよかったので柚那ちゃんと実夢姉にその辺は委ねていた。貫志駅でも加太駅でもグッズがあれば買いたいと行きの飛行機の中で話していたくらいだ。
見ていると電車もピンク、水色、赤色、黒色とどの電車にも座席シートには小さい鯛が泳いでいるようなかわいいモチーフやつり革が魚の形をしていたりして撮れるものは全て収めようとしていた。電車好きの和真ですらすごいと思うほど。
余すことなく電車に浸ろうとしている姿を見てこの表情を見たくてここに来たと行っても過言ではない。終点の加太駅からはフェリーに乗って友ヶ島に行くことが出来る。
和歌山県で有名なびんちょうまぐろの丼を食べてから行こうかなと考えていた和真だった。だがしかし、終点の加太駅に着いてもいっこうに港へ向かう感じはない。
向かった先はグッズショップで電車の描かれたクリアファイルとめでたい財布をどれを買うか頭を悩ませていた。考えるのがめんどくさかったのか全種類カゴに入れて会計する柚那ちゃんと実夢姉。思えば全然グッズを買っていない和真。
パンダのカチューシャを気に入ったのか電車内でもご飯を食べる時も片時も離さずにいる。港の近くにある大衆食堂があって中に入る。せっかくならば全員違うメニューを注文をしてシェアしようという話になる。
和真はびんちょうまぐろ丼、柚那ちゃんは真鯛丼、実夢姉はサーモンいくら丼をそれぞれ注文をすると周りにいる女の子からあの服かわいい、あのパンダのカチューシャかわいいと注目を集めていた。
しばらくして席に運ばれてきて店員さんにスマホを渡して写真を撮ってもらい、それぞれの丼を撮ってシェアしながら食べていた。港の近くということもあり、美味しさはピカイチ。会計を済ませてフェリーを待っていた。
フェリーに乗り込み、片道約30分程で着いて眺めているとアニメ映画のモチーフになったと看板に書いてある。テレビの再放送で何度も観たことがあって台詞も言うくらい好きだという実夢姉。
島内を散策していると友ヶ島は別名紀淡海峡に浮かぶ南国とキャッチフレーズを書いてある。確かに異国の地に来たような感じだなと陽がくれるまでずっといるくらい歩くのが楽しい。
夕焼けに沈みかける水平線を見て、柚那ちゃんはインカメラで撮ろうと言って日没ギリギリで撮影することが出来た。
最終日はテーマパークに行きたいとフェリーと電車、特急電車「くろしお」に乗って和歌山を離れて大阪の天王寺駅近くのホテルに泊まった。




