長旅
これならば
多忙な日々を過ごして7月中に夏休みの宿題を終わってホントによかったと実感をする和真、柚那ちゃん、実夢姉の3人だった。気がつけばお盆も過ぎて長かった夏休みも残り2週間程になっていた。落ち着いたし、出かけたいと話していた。
夏といえば海やプール、花火大会にお祭りと全部行きたいがブールには行ったし海に行こうにも近くの海水浴場はどこも混んでいる。
花火大会やお祭りに参加したくてももうやっていないに等しい。やっていても辺鄙な場所で電車で行くのは難しい場所になる。
そう思った実夢姉はグループラインで聞いた。
「せっかくの夏休み、謳歌しない訳にはいかないよ。思い出作りのためにも3人で泊まりの遠出旅行に行くのはどうかな?誰か何かいい案ある人いるかな〜?」
何かいい案か〜。この機会に行ったことのないところに行って自分の好きな電車に乗るのも悪くない。だがそれだと柚那ちゃんや実夢姉をそこまで好きでもない電車に付き合わせることになる。それはイヤだ。
提案をするならばこの電車に乗ってみたい。こんなかわいい電車なら一緒に乗りたいと女の子側から言って来てくれるくらいじゃないとダメだなと感じた。そうと決まれば全国のかわいい電車について調べた。
調べると電車好きの和真も知らなかった電車がヒットした。それは和歌山県にある和歌山電鐵を走るおもちゃ電車、うめ星電車、たま電車、いちご電車とユニークな電車を見つけた。外装だけでなく、内装もかなりかわいい。
とりあえずグループラインでかわいい電車があるから行こうと提案をした。和歌山県はさすがに遠すぎたかなと落胆して返事を待っていると柚那ちゃん、実夢姉から返事が届いた。
「この電車かわいくない?実夢は乗ってみたいし、写真撮りたい。後、グッズがあれば買いたいな。和歌山県と言えば南紀白浜にあるアドベンチャーワールドがある所だよね?パンダもみたいし」
思いの外、実夢姉が食いついて来てくれて嬉しかった。後は柚那ちゃんの返事待ちだった。
柚那ちゃんからの返信が届き、これは新種の返事の仕方なのかと思うような感じで返事が来た。実夢姉のメッセージに対して引用して同文とだけ書かれて返信されてきた。
これはいいってことで解釈していいのか?特になければ行先は和歌山県にしちゃうけどと最終確認をして親指をたてたマーク、サムズアップで返事をする。
何か仕方なくラインしてる感が漂ってきて、ホントは自分とじゃなくて女子旅をしたいのではないかと聞き直していた和真。柚那ちゃん、実夢姉共にイジワルしちゃってゴメンねと謝って後は日時を決めるだけになった。
土日は混むし、高いからと平日で2泊3日の旅をすることを決めて宿泊先を決めるのは柚那ちゃん、食事と他の行先を決めるのは実夢姉、そして電車の時刻表とマップでの案内を和真がそれぞれ担当を決めた。




