違う目線
友達から見て
実夢姉と会うのは基本的にバレエ教室の中だけだった。同じ敷地内にある小学校と中学校だが、広大で休み時間に会いに行って戻ってこれる距離ではない。可能性としては図書館と食堂くらいだが、どちらもさほど利用する頻度は高くない。
いつも見ている柚那ちゃんだが、クラスではどういう子なのか分からない。いくら同じ時間、同じ敷地内にいるといっても小学校と中学校は別々にあるし、学年も違うから学校生活は全く分からない。分かるのはクラスメイトくらいなものだ。
帰りのスクールバス内で聞くにも直接聞くのは恥ずかしいと思う。だからバレエ教室に行った時に聞こうかなと思ってまた後で会おうねと話す。
顔がかわいくて声がかわいい上に優しくて面倒見がいいが、欠点という欠点が方向音痴というかわいい欠点で他にないのかと知りたいなと考えていた。
バレエ教室の前で実夢姉と合流して待機所に向かう途中、クラス内での柚那ちゃんについて聞いてみた。
「クラスにいる時、ね……。思いやりがあって勉強が分からなかったりして困っている子がいれば丁寧に教えている印象かな。後は給食で苦手な食べ物を周りの子から集めて食べるだけでなく、余ったご飯をモリモリ食べているよ。スゴい華奢なのにどこに入るのかね」
実夢姉がそう言うのは分かる。実夢姉も細くてちゃんとご飯を食べているのかっていうくらい細いのにそれ以上に細く見える柚那ちゃんだった。
考えられるのはもしかしたら食べても太れない体質なのかな。回転寿司に行ったら何巻食べるのかな、焼肉食べ放題行ったら何人前食べるのかを検証してみたいと思ってしまう。
練習をしている時、ラインを交換しようとお願いをしてくる実夢姉。こういう時、していいものなのかダメなのか分からず柚那ちゃんに聞かなきゃ分からないと答える。
そうだよね、彼女いる子に連絡先を聞こうとするのもどうなのかって思うよね。とりあえず柚那に聞いてみると練習後に出てきた場所で聞いていた。
「ねぇ、柚那。和真君のラインを聞いたら怒る?もし実夢とラインしてたり、電話をしたら嫉妬したりする?」
実夢姉は何とかしていると逆にまだ連絡先交換してなかったの?待機所で仲良くしているなって見ているよと笑っていた。
今度、和真君と柚那、実夢の3人でご飯を食べにいかない?和真君と実夢はどう見えているか分からないけれど結構食べるから食べ放題のお店だと助かるなと話していた。
それは最初に沢山食べますよと言っているようなもの。焼肉食べ放題でもいいし、お寿司の食べ放題でもいいがせっかく食べに行くのならば色々なものを食べたいなと感じている和真だった。




