息抜き
お互いに
毎日を怒涛の日々を過ごしている柚那ちゃんだけど楽しめているのか、柚那ちゃんとリフレッシュが出来ているのかと自分のことよりも気になっていた和真だった。
ある日、スクールバスの中で聞いてみた。
「柚那は好きでバレエに通っているよ。だがら大変でも忙しくても頑張れる。だけど和真君はバレエ教室でサブコーチみたいな位置づけで自分が踊るわけでもないのに付いてきてくれているからよっぽとスゴいし、根気あると思うよ。リフレッシュは和真君と手を繋いで歩くことだよ」
その解答にも驚く。
確かに柚那ちゃんに言う通り、自分が踊るわけでもなければ発表会に出るわけではない。行くのはあくまでも柚那ちゃんを危険から守るためと思っていたが気がついたらサブコーチみたいな位置づけになっていて、マスコットキャラクターのようにみんなかわいがってくれる。
毎回の練習に来て欲しいけど、用事や体調が悪かったらムリをしなくてもいいよ。心配もしてくれているし、自分が必要だと思ってくれていることな何よりも嬉しい。
それは柚那ちゃんもそう。リフレッシュが自分と手を繋いで歩くことと言うのは少し恥ずかしい気もするがそれで喜んでくれるならいいかと思う。
バレエ教室が開校してからずっと通っている子や途中から入ってきた子とそれぞれタイミングが違えど練習を頑張っているからこそ女性講師からは厳しい言葉をかけられるものの明らかに上手になっているのが分かる。
柚那ちゃんを含めてこの中からホントに世界で活躍をするバレリーナが誕生するかもしれない。自分が出来ることはあくまでも練習を見て、気づいたことを伝えてあげること。
ホントなら女性講師のように身振り手振り伝えてあげればいいが技術がないために口で客観的にしか伝えることが出来ない。それでも伝えたことを実践出来るのは技術があるからといえる。
練習中や発表会でどれだけ気をつけていてもケガをしてしまうことがあり、その女の子と和真が練習を眺めていることがあった。気づいたことを伝えて女の子がムリのない程度に身振り手振りしている。頷いて自主練を行っている。
決して自分が発表会に出演をするわけでもないのに早く柚那ちゃんを含めてここにいる全員が舞台に立って欲しい。大なり小なりキャパの数は関係ないからオファー来ないかなと願っていた。そう柚那ちゃんに伝えた。
「和真君が思っている気持ちを今度行った時に伝えてあげてね。怪我をしている実夢も含めて発表会が近づくと不安で押し潰されそうになる。だから毎回和真君には来て欲しいし、来れないならスマホの待受にしている姿を見て奮い立たせているよ」
それがたとえウソだったとしても嬉しい。出来ることは限られているもののバレエ教室の全員を笑顔で発表会を終えられるようにしてあげたい。




