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憧れの幼馴染  作者: 佐々蔵翔人
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目的地

自分が迷子だとは

家族と合流を果たした和真かずま、改札を抜けてお父さんとお母さんが連れさらわれたと思った。困っている人を助けるってことは中々出来ないことだし、勇気がいる。お父さん、お母さんでも出来たか分からないよ。


その話を聞いてお父さんとお母さんに迷惑をかけたことを反省をしてうつむいていると今度そういう事があったら事前に伝えてね。そうじゃないとどこに行ったのかと思うからと頭を撫でられた。


人助けをしたと思っていたのに自分の家族には何も告げなかったせいで自分が迷子だと思われてしまったな。とりあえずさっきの女の子が家族と会えたならそれでいいか。


そう考えて歩いているとこの日の目的地、別府温泉べっぷおんせんに着いた。数字は幼稚園で数字の勉強をしたから料金表に書かれていることは何となく分かる。5歳になったばかりの和真はお金がかからないことも同時に気づいた。


料金を支払い、脱衣所の前でお母さんと別れた。

人生で初めてお家以外のお湯に浸かることもあり、嬉しさとどんな感じなのかと思う反面、地面に足が付くのかという不安もある。


緊張の面持ちで扉を開く。

タオルを持ってまず、かけ湯をして進むと何種類あるのか分からないくらい温泉があって更に外にも露天風呂が鏡越しにいくつも見える。


せっかく来たからには全部制覇したいと少しお湯に入っては違うところに入ってを繰り返している和真かずま。途中、頭と体をお父さんに洗ってもらって再びお湯の制覇に向けて残りの場所に向かう。


ゆっくり浸かりたい気持ちよりも全部のお風呂に入りたい気持ちでゆっくり入りたいお父さんを困らせていることは何となく分かっていた。けども次、いつ来られるか分からないと思う気持ちが勝ってしまう。


数時間かけて全部のお風呂に入り切った和真かずま、清々しい気持ちで脱衣所に戻って髪を乾かしてもらい、お母さんが出てくるのを待っていた。


もう少しゆっくりと入っていたかったなとお父さんの顔を見るとそのような表情が見えた。待っている間にソフトクリームを食べていると女の子が近づいてきた。


「さっきは泣いている所を助けてくれてありがとう。おかげでパバとママに会えたよ。じゃあね」

握手をしてその場を去って行った。


長い髪の毛をツインテールにして揺らしていた。世の中にはあんなかわいい女の子がいるのかと思う瞬間だった。またどこかであの子に会いたい。


しばらくしてお母さんがやって来て全員で晩御飯を外で食べて鈍行どんこう列車、急行列車を乗り継いで家に帰った。


鈍行どんこう電車の中、急行列車の中、バスの中、家のベッドでずっと考えていたのは温泉であった女の子のことだった。せめて名前くらい聞いておけばよかったと眠りについた。

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