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憧れの幼馴染  作者: 佐々蔵翔人
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退院祝い

何にするか

和真かずまは無事に退院し、再び学校に行くことが出来た。スクールバスにはいつも隣にいる柚那ゆずなちゃんがいないってことに少し寂しさを感じるが、きっと今はリハビリを頑張っていると思うと弱音を吐いている場合ではない。もう会えなくなるわけではないと自分を奮い立たせていた。


退院祝いに何か持っていこう。いつももらってばかりだからお返しをしたいと思いつつも何をあげたら笑顔になってもらえるのか全く分からない。


とりあえず少ないお小遣いで何が買えるのか。財布を持ってアウトレットに向かう。アウトレットに来るならば柚那ちゃんと来るはずと勝手に思い込んでいた。と考えつつお店を巡る。


普段寄らない雑貨屋に行くとかわいい物が溢れている。あれもかわいい、これもかわいいと目移りするものの値段を見て驚く。思っていたよりも値段が高くて値段はかわいくないと思ってしまう。


値札と財布をにらめっこする。これを持っていたらかわいいだろうなと思いつつもお金が増える訳でもない財布の中身。その店を出ようとしていた。


すると女性店員が膝を曲げて声をかける。

「どうしたの?何か欲しい商品があるの?探している商品があれば一緒に探すよ」


和真かずまは思わず女性店員さんの首元に光るネックレスに目が入った。ハートでかわいいな、同じモノを見つけたものの小学生には到底買える値段ではなかった。


商品のネックレスと女性店員さんの首元をチラリと見ているとチラチラしているのがバレた。そしてこのネックレスかわいいよね。女の子にあげるのかな、お金は要らないからプレゼントしな。


さすがにそういう訳にもいかず、店員さんにいくら払えばいいのかと話すと質問を返されるように今日、アウトレットに来た目的と誰にプレゼントをするのかとこと細かく聞かれる。


ひと通り説明をし終わった和真かずま

「それなら尚更お金は受け取れないよ、お姉さんはいつでもネックレスを買えるけどその女の子に渡せるネックレスはもうないよ。お姉さんと約束して、その女の子を大切にしてあげな」


気持ちを汲み取り、ネックレスを受け取ってお店を出た。道端にかわいい蒲公英たんぽぽが咲いているのを見つけて摘んで帰った。


家に入る途中、柚那ゆずなちゃんの姿が見えた。

退院おめでとうとネックレスと道端で拾った蒲公英たんぽぽを渡すと目を輝かせてかわいいと喜んでくれていた。


ネックレスを付けて欲しいとせがまれ、不器用ながらネックレスを付けてあげる。この瞬間を写真に撮りたいと思ったがまたしてもインスタントカメラがないことに気がつく。


このかわいい姿を写真に撮りたいと柚那ゆずなちゃんに伝えると手を繋いでアウトレットに向かって歩いてインスタントカメラを買いに行く。その途中、雑貨屋で女性店員さんが和真かずまを見てウィンクをする。それに頭を下げて答える。


インスタントカメラで2ショット撮って、プリクラでも写真を撮ってこれからもっと思い出を増やそうねとずっと手を握って家に帰った。

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