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憧れの幼馴染  作者: 佐々蔵翔人
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何が原因なのか

要因は何か

学校終わりにバレエ教室に向かうのは柚那ゆずなちゃんと共に和真かずまも行くのがいつしか日課となっていた。待機所から練習場を眺めていて、予定時間より伸びることもしばしばある。


ずっといたいと思っている和真かずまだが、事務所の人から夜遅いから帰るようにと促されることもあった。


友達が練習しているので終わるまでここで待つので、椎名柚那しいなゆずなちゃんが終わるまでここにいると伝えても帰るようにと言われる日もよくある。


じゃあ言われた通りに家に帰るかと言われたらそうではない。入口から少し離れたところで待っている日も少なくない。喫煙所の近くだが、関係ないと待機所から出ると言われた時はいつとここにいる。


なぜ、そこにいるかと言われると周りからは死角で出入りを確認出来るのはこの場所しかない。当然だが、タバコを吸う人は喫煙所に行く人の煙を吸う。所謂いわゆる受動喫煙。


ある日突然、咳が止まらなくなった。家族が心配して理由を聞かれて喫煙所近くで待っていることも度々あることを伝えた。自分でも咳が出ないようにするために他の場所を探さないと。


ここまで皆勤賞だった学校も咳がひどくて学校も休みがちになった。柚那ゆずなちゃんは自分に付き合わせたせいで体調が悪くなったのかと思っていたが決してそうではないことを念押しした。


あまりに咳が止まらず、病院に行くと喘息ぜんそくと診断されて薬を処方された。だが処方された薬を飲み、学校に行かずに寝込むが治らずにいて入院することが決まった。


学校には行けないし、柚那ゆずなちゃんには会えないしと数人いる病室で落胆していた。喫煙所で全く自分のせいではあるものの、かと言ってあの場所が出入口から近くて見やすいのも確かだし。


食事の時間以外は咳が出るし、することはないしと長い時間をどうやって過ごすかと考えていると隣の病室に誰か入院することが決まった。

「こんにちは、入院することになった椎名柚那しいなゆずなって言うの。短い間だけど宜しくね」


とりあえず入院することになったから挨拶あいさつをしたつもりで相手が和真かずまということには全く気がついておらず、顔を見て思わず両手で口を隠す。


柚那ゆずなちゃんが入院するきっかけについて聞くと練習中に足を捻ってしまい、アキレス腱を痛めてしまってリハビリをすることもあって入院することになったと経緯を聞いた。


また会えたことは嬉しい反面、病院であうことについて複雑の上に大声で喋ることが出来ずにいることにもどかしさを感じていた。


カーテンを隔てて喋りたいが、周りに人がいるからと紙とペンをもらって食事の時間と就寝時間までずっと筆談をしていた。その姿に女性看護師の人からも仲良しだねと言われることもしばしば。


先に和真かずまが退院することが決まり、柚那ゆずなちゃんに早く治してまた練習に戻ってきてね。そして舞台に戻ってくる日を楽しみにしていると伝えて病室を後にした。

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