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憧れの幼馴染  作者: 佐々蔵翔人
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初披露

決定

数日後、いつものように柚那ゆずなちゃんと共にバレエ教室に向かって待機室で誰もいない所にいた。この頃にはもう柚那ゆずなちゃん以外の女の子とも仲良くなって話すくらいになっていた。


練習後に発表会に出演する子を紙で読み上げられて柚那ゆずなちゃんを含めて全員出演することが決まった。日にちはハロウィンの日、会場は大分駅おおいたえきからほど近い中規模のホールで行われるとのこと。


待機所からは分厚い壁を隔てているが、声はハッキリと聞こえる。どういう意図なのか女性講師に聞いた和真かずま。それを聞いて納得だし、厳しいなと感じた。


「この分厚い壁で見やすくしてあるのは演者が常に見られているという意識を持たせるためで声が聞こえるするようにしているのはバレエのことを知らない人から知っている人までどんなお客さんにも見てよかったと思ってもらえるようにするため」


言っていることは理にかなっているし、そうかもしれないけど基本は柚那ゆずなちゃんも含めて表現力など細かい所も含めて厳しいことを言われていることが多い。


毎日のように練習に顔を出し、正直何が変わったのか全く分からないが素人目には表現力も魅せるワザもこの中でも群を抜いている。知り合いだから、好きな人だからということを度外視しても。


ハロウィン当日にオレンジのワンピースを着て、衣装を持って柚那ゆずなちゃんと共に大分駅おおいたえきに向かう和真かずま。行きは何があるか分からないから特急で行って、帰りは鈍行どんこう列車で帰ろうと提案した。


すると柚那ゆずなちゃんはニコリと笑う。

和真君かずまくん、頼りになるね。椎名しいな家は代々方向音痴が多くて柚那ゆずなも北の方角にいこうとしたら南に進んでいたことあるし、広島県ひろしまけん北広島町きたひろしまちょうに行こうとしたらに行くはずが北海道ほっかいどう北広島市きたひろしましに行っちゃったりと」


同じ北広島きたひろしまなら間違えそうだねと特急電車「にちりん」を待っている間にそういった話をしていた。話すことが尽きず、予定時間の特急電車「にちりん」が入線して乗り込む。


最寄りの大分駅おおいたえきに着いて入り時間まで喋って待っていた。緊張を全くしていないと豪語しており、初めてなのにスゴいメンタルだなと感じた。


入り時間に柚那ゆずなちゃんが入り、開場時間に和真かずまが入場する。中で待っていると大きい舞台でここで踊るのかと感じていた。お客さんもそれなりに入っている。他の人は誰がお目当てなのかな……。


そう考えながら開演時間を迎える。柚那ゆずなちゃんの出番がやって来て拍手で迎えられる。華麗に踊る姿はまるで湖に浮かぶ白鳥そのものでインスタントカメラを買えばよかったと後悔するほどだ。


終わりに演者と喋る時間があり、柚那ゆずなちゃんにそのことを伝えると女性講師も来ていてスマホで2ショット撮ってまた渡すと言ってくれた。帰りにゲームセンターでプリクラを撮って帰った。


決めた、次来る時はインスタントカメラを持って行くと柚那ゆずなちゃんに誓った。果たしてその次がいつになるのかは柚那ゆずなちゃんにも分からないが。

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