気になるニュース
なぜだろうか
和真と実夢、それぞれ休みの日にテレビを見ていた。その時の報道で親が虐待によって乳児や幼児がいると流れていた。
これを見て自分がお腹を痛めて出産したのにどうしてそういうことをするのかなと呟く実夢。
数時間後、違う局でテレビを見ていた。
今度は不妊治療をしても中々妊娠出来ないとみていてこう感じた。
「子どもを望む人にには中々出来ず、そうではない人には出来る」
生命を大事にしなくてはならないと改めて感じた和真と実夢だった。
その日の夜に同じベッドにいる実夢、話があると寝ようと和真に話しかけた。
「実夢もアラサーっていうものあるし、和真君との子どもを授かりたいなと考えているの。どう思っているか確認したくてさ」
将来的に授かりたいなと考えていた和真。主としてもっと稼げるように頑張るねと伝えて眠りについた。
数ヶ月後、体調が悪いと訴える実夢。和真とお互いに顔を見合ってまさかと思いつつ近くにある産婦人科に行くことにした。
そこで妊娠3ヶ月だと伝えられた。
会計を待つ間に和真と実夢はお互いに抱き合って人目を憚ることもなく嬉し涙を流して会計を済ませ、そのまま亀戸に向かって柚那ちゃんに赤ちゃんを授かったことを報告しに行った。
蘇我駅から亀戸駅まで電車で約1時間の程の距離にあるため、これからは何かある度に訪れては報告するようにしようと改めて話をしていた。
産婦人科の先生から実夢にも全く動かないのはよくないからと最低限の運動をしてもらうが基本的な家の家事や炊事といったことは和真が積極的に行っていた。
困った時はお互い様という気持ちとうつ病になった時に自分が全く出来なかったから今度は自分が助ける番だと考えていたからだ。
待望の赤ちゃん、名前を何にするか和真と実夢はその話しかしないくらいどのような名前にするかと話し合っていた。男の子だったらなんて名前ならカッコイイか、女の子だったらどういう名前がかわいいのか漢字も含めて考えていた。
検診の日が休みだった和真、実夢と共に産婦人科に向かうと女の子でほぼ決まりだと伝えられていた。元気に産まれて来てくれれば男の子でも女の子でもどっちでもよかった。
自宅に帰って女の子の名前を考えていた。すると実夢からある提案をされる。
「勝手かも知れないけど柚っていう字を使いたい。和真君との子どもでもあるけど、ホントなら柚那との子だったかも知れないし柚那のことを忘れることはないけど魂を引き継いで欲しいの」
それを踏まえて色々な漢字で読み方を提案する。
最終的には柚那ちゃんの様に希望を持って自分の道を進んで欲しいという気持ちから「柚希」と名付けた。
大分県にいるお互いの両親、そして柚那ちゃんのご両親にも名前をお借りしたことを伝えると電話で泣きながら喜んでくれてきっと柚那も嬉しいと思うよと答えてくれた。
亀戸と大分にあるお墓。別々の日だが、手を合わせて柚那ちゃんのお名前のお借りしたことを伝えて和真の実家、実夢の実家。そして柚那ちゃんの家にお邪魔させてもらってこの子が柚希だよと伝えた。
これからは柚希の成長も踏まえて大分に帰省したり、行けなかったら亀戸で見せに来るねと伝えた。
和真、実夢、柚希の3人での生活が新たな生活が始まった。




