出欠確認
許してくれるかな
和真の家にハガキが届いた。宛先は誰だろうと見ると柚那ちゃんのご両親からで法事の出欠に関してのものだった。
復職をして段階を踏みつつ仕事をしていた和真にとってもうハガキが届く時期になったのかと他人事のような感じにもなっていた。答えは当然出席に丸を打ってその日に郵便ポストに投函をした。
同じ頃、実夢の家族から同じハガキが届いていたと家族がラインで届いていたと和真にも伝えられていた。
今いる住所に送ってもらって郵便ポストに投函となると手間がかかる上、時間がかかると考えて出席に丸を打ってもらい代わりに投函をお願いをする。お互いに有給を取らないとねと話す。
前乗りしてそれぞれの実家から向えばいいと考えは同じ意見だったが、蘇我駅から羽田空港までどのようにして行くか検討していた。
電車だと乗り継がなくてはならない、車だと高速道路の最短距離で使ったとしてもかなり時間がかかる。他に手段がないかと調べると蘇我駅から直通バスが出ていることを知ってそれにしようと決めた。
前日、仕事を終えて蘇我駅から羽田空港に向かってバスに乗り込む。羽田空港に着いて搭乗手続きをして大分空港に降りて高速バスがないため、和真の両親に迎えに来てもらう。
実夢を家に降ろしてまた明日と手を振って帰る。
翌日、礼服を着て実夢と合流をして会場に向かうと多くの人が訪れているのを見て多くの人が時間を合わせて来たと感じていた。
始まる前にやっと柚那ちゃんのご両親に挨拶をすることが出来たかと思ったら法事が始まる。お墓参りから会食まで数時間を要して法事が終わって帰ろうとしていた。
すると柚那ちゃんの両親から家に寄って欲しいと伝えられた和真と実夢、飛行機の時間までしばらくあったのでと大丈夫ですよと着いて行った。
家に上がってリビングにある椅子に座ってお茶とお菓子を出してもらうとお父さんがどこかの部屋に向かって行ってあるものを渡される。
「これは和真君からいただいたかわいい婚約指輪でカスタマイズしたスゴいものなのと生前、柚那がよくラインで言っていたよ。その大切な物を火葬することも売ることも出来ないから返却する。形見としてでも持っていてくれれば……」
頭を下げて受け取る和真だった。
このタイミングで言うことではないかなと前置きをしつつ、柚那ちゃんのお友達で隣にいる朝比奈実夢さんと将来的に結婚を考えていていると伝えた。
ご両親共に顔を見て頷いていた。
「私達が決めることではないので何とも。家に来てもらったから挨拶して言ってください」
座布団に座って数珠を持って「おりん」を鳴らしながら手を合わせる。何れ実夢と結婚するよと伝えた。
家を後にする前に亀戸と大分どうして両方にお墓があるのか失礼だと思いつつも聞いてみた。
それについてこう答えてくれた。
「思春期の時にイタリアに行っていた時代もあったから海外からも手を合わせに来てくれる人がいると思うのと近くに親戚がいて分骨して分けているっていう感じかな」
なるほどと納得しつつも日本と海外、お墓参りって同じなのかなと感じつつ蘇我の家に帰って行った。




