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憧れの幼馴染  作者: 佐々蔵翔人
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はじめに

「カタン、コトン。カタン、コトン」

靴を脱いで電車の窓をみつめていることが好きな少年、佐伯和真さえきかずま大分県おおいたけんの山奥に住んでいた。


家の周りには自然が豊かで森があり、川のせせらぎには交通が不便ながらも車で数時間かけて来る人もいるほどだ。


和真の住んでいる家から最寄駅の佐伯さいき駅はバスを乗り継いで15分で近からず遠からずの位置にあるものの、急勾配の坂があるために歩いている人や自転車で立ち漕ぎをして登る人はそうはいない。


電車好きの中には撮るのが好きな撮り鉄と呼ばれる人と乗るのが好きな乗り鉄が部類されるが和真自身は乗り鉄になる。


小学生にもなっていないからカメラなんて買えるわけもなく、いつか日本全国の電車に乗って写真を撮りたいという気持ちを秘めていた。

そういえば幼稚園に入る前からプラレールを買って欲しいとお強請ねだりした時から電車が好きだったのかも。


ある夏の週末、最近どこにも出かけてないからたまには出かけようと発するお父さんの意見が出る。

お昼頃から電車で別府べっぷ温泉に行こうという話が浮上する。電車に乗れるの?嬉しいと和真は思っていた。


急に予定を決めないでと言わんばかりの顔をしているお母さん。対照的にワクワクしてスマホで時間を調べているお父さんと子どもながらにも感じるこの温度差。今日はどんな電車に乗るのかな。


バスで佐伯さいき駅まで向かい、特急電車「にちりん」に乗っていざ別府べっぷ温泉へと電車は走り出した。


普段はゆっくりと鈍行どんこう列車に乗っているが、今日は違う。特急列車「にちりん」が颯爽さっそうと駆け抜けている姿に小学生に上がっていない和真にとっては景色を目で追うのに必死になっていた。


大分おおいた駅を経由をして目的地、別府べっぷ駅に特急電車「にちりん」が入線しようとする瞬間だった。

和真と同じくらいか少し上くらいで黄緑のワンピースを着た女の子が泣いている姿が見えた。咄嗟とっさに下りて助けなきゃと思う。


電車が停止し、扉が開くと家族に何も告げずに電車の窓から見えた女の子を探して小さな体で探していた。息を切らしながら走っていると女の子を見つけた。


「大丈夫?」

さっき電車の窓から泣いている姿が見えたけども、と話しかける。


一緒に駅員室に向かうとその女の子の家族と勝手にどこか行った和真の家族と合流をする。


急にいなくなったら心配するでしょと怒られるものの車窓から女の子が泣いている姿が見えたことを伝えるとそれならひと言声をかけてと怒られながらも和解をする。


汗かいたし、温泉に浸かって今の疲れを取りたいなと自分で小さな戦士を労わろうと温泉を楽しみに改札を抜けた。


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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公の拓真と同じ大分県出身者なので応援します!
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