表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ツイッタートレンド ヒューマンドラマ偏

『けが人なし』

作者: 木尾方

僕の型式は、D13aK ゴムタイヤ型AIロボット

小さな1本タイヤでホイールからアームが左右から出る、あまり人気は無いらしい。


主人ライト様は、僕の事をダックと呼んでくれる。


もうすぐ、ご主人ライト様とサヨナラです。

もし、新しいロボットを雇ったらダックって名前付けてくれるのかなぁ





数時間前





《ライト様、F7番の席、ここだよ。》


「ありがとう、ダック」


《どういたしまして》グルングルン


僕は、喜びを表現するために新幹線の通路で

クルクルとその場で回転して見せた。


「ダック、ダメだよ。ここでは大人しくして」


《…はい》 プシュ~

今度はタイヤの空気を抜きパンクさせて落ち込んだ表現をしました。


「まったく、ダックは面白いなぁ」



電車が発車してから、暫くすると僕のセキュリティシステムにアラートが響きました。


鉄道会社が公表したのです。


《ライト様、危険が迫ってます。起きて下さい。》

座席横で充電していた僕は、ホイール横からアームを伸ばしご主人様の体を揺すって起こしました。

「ど、どうしたの?ダック!何があったの?」


他のロボット達も同じように自分の主人に危険を知らせていた。


《まずは、落ち着いて行動してください。私たちロボットが情報を共有して安全を確保します。いいですね。ライト様》


「う、うん」


《まずは、最後尾の方へ移動します。そしたら説明します。》


「わ、わかった」


他のご主人達も落ち着いた様子で移動を始めようとしたとき、前の車両の乗客達がパニックに陥り走って車内に入って来た。


通路に立っていたライト様が他の乗客に「どけ!」と突き飛ばされた僕は、エアバックのようにタイヤを膨らませてライト様を庇った。


「あ、ありがとう。ダック」


《おケガありませんか?》


「うん、大丈夫」


《それでは、後ろの車両に向かいましょう》


僕は、移動しながら、状況を説明しました。


「え、何だって?爆弾!」


今日日、新幹線に危険物を持ち込む事などできないし無理なはずなのですが犯人達は、いくつかのパーツをそれぞれのロボットの部品に紛らわせて、その場でロボットに爆弾を作くらせたのです。


犯人達は金を要求したようです。要求が通らない場合は爆発させるとの事です。


ロボット同士の情報や公表されている情報を整理すると、概ねこのような状況だったのです。


1、爆弾は、本物

2、爆弾は、6両目

3、爆弾は、ロボットが持っている

4、ロボットを持ち込んだ犯人達は、ロボットを運ぶだけの仕事と言われた

5、犯人達のロボットは、AI機能は無く、安上がりの遠隔操作型だが、複数の通信モジュールを使っており、短時間での犯人特定は不可能



ピ、ピピッ


すると、ロボット達にある通知が届いた。


新幹線ジャックをテロリスト指定にすると言うものでした。


《ライト様、お別れです。》


「え、ダック何言ってるの?」


《対テロリスト法、ロボット3-2が発令されました。1分後、ここにいるロボットは全て政府の管理下に置かれ政府の遠隔操作にて行動に移ります。ライト様の声は、聞こえても答える事ができません。申し訳ありません。》3、2、1、ピー…



ブ、ブーン…ピッピッ、ピ


《インストール終了、これより行動します。》


「ダック?ダック?どこ行くの!止まって!ダック!命令だよ!」

ライト様を止める他のロボット


《ライト様、聞こえてますが申し訳ありません。無理なのです。》



次々と、ロボット達は、主人の元を離れて各行動を開始しました。


主人達の行動を制止するロボット

主人達をケアするロボット

主人達の安全を確保するロボット


そして、テロリストの車両に向かうロボット達


僕も、そのロボットの1台でした。


行動は、他のロボットが超小型ドローンを飛ばし、テロリストロボットの視点を録画、行動を監視、犯人に利用されたと思われる人達の把握

長いトンネルを利用してジャミングの発動

一時テロリストロボットの無効化

その後、録画した画像をテロリストに流してその間にロボットから爆弾を切り離し監視している時に作った擬似爆弾をロボットに渡す。



僕は、奪った爆弾をアームで抱えて、緊急で開けたドアから飛び降りるのが役目



GPSが爆弾と繋がっているので、暫く待機し、指示が出たら一気に車両を飛び降り、走行人気のない山林で僕は、木っ端微塵にななります。新幹線全ては爆破できない小さな爆弾ですが、ものすごいスピードで脱線させるぐらいの威力はあります。死者もケガ人も出るでしょう。



小さな体の僕には、大きすぎる威力の爆弾

でも、ご主人ライト様が無事なら、それでいいのです。



ピ、


政府からの命令が来ました。

全力で走ります。

リミッターも解除します。

モーターが焼き付いても遠くに行きます。

少しでも、ライト様から離れるために…











『今日、午後に発生した新幹線ジャックの続報です。爆弾は解除され、今、無事に品川駅に到着した模様です。これによる、けが人はおりません。けが人なしです。』




読んで頂き誠にありがとうございます。


今日のTwitterトレンド『けが人なし』です。


本物に、頭くるなぁ 真似した? ふざけんよ!


ちょっと、話ずれるけど、犯罪者が、『このような本を読んでいた』『あのようなアニメを見ていた』とか言うけどさ、メディアってバカなの? 事件で使用した物など少し考えてくれよ。


俺が思うに、犯罪者って想像力が極端で乏しいと思うけどね。


あ、( ̄▽ ̄;)また愚痴ちゃいました。


それでは、またお会い致しましょう。

木尾方きおかたm(._.)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ