プロローグ
「色んな話をして……」
窓から爽やかな掛け声と共に風が囁く
「……」
だんだんと今までの灯りが沈んでゆく
「それで一緒に出かけて……」
廊下を歩く音が反響して
「妄想って言うんじゃない?」
「違うってば、本当に見たんだ!」
「まずはカフェに入って一緒に談笑しながらコーヒーを飲んで」
俺の熱い想いが気づかず口から漏れていた
「あのさ……」
「その次は映画を見に行って」
「あの……」
「一緒にディナーして」
「聞いてる?」
「あ、ごめん。」
「もう、帰っていい?」
「まだ話終わってないんだが」
時計の針が早く帰れと言わんばかりに進んでいた
「帰るね、また明日」
さっさと目の前から消える。黒い艶のある髪が結ってあり黒縁メガネをかけている登場人物Aのような女の子は七草 美沙
「さっきからあんた何気持ち悪い事言ってんのよ」
「お前聞いてたのか」
「違うわ!聞こえてきたのよ」
あんかけスパのあんかけのようにいつも俺に絡んでくる
「そうか……」
「ごめん、忘れてくれ」
「それで何考えてんのよ」
俺に対してはいつもこうだ
「お前には関係ないだろ」
「はぁぁぁん」
教室内に透き通ったガラス玉のような声が響きわたる
「……」
「無視するな〜」
さっきから耳に突き刺さる声を放っているのは 黒い髪がナイアガラのように美しく流れて、勉学、部活と共に優秀な……辛うじて昔馴染み
「お前うるさいもん」
しかも学校1位、2位を争うほどの美少女と来た
名前は大山 奈々
「帰るわまたな」




