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赤い月の下で  作者: 黒猫館長
第一章「白い一室での物語」
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第19話「あんたを連れ出したいよ。」

 退院から2週間ほどたち、学校生活にも慣れてきた。(最近教室に行かなくていいから超楽。保健室最高!個別授業最高?)よく高校生活は青春の集大成みたいにラノベでは書かれているが、そんなものは大人の過去への願望であって、別に輝かしい日々でも何でもない。まあ父親曰く「自分の為だけに時間を使る唯一の期間だ」というがまだよくわからない子供だもの。まあそれでも楽しいとか奥深いとかそういうことはないというのに、こいつはなんかすごく食いついてくる。

「ででで!?千明君にはライバルとかいるの!?」

 宝石のような目をさらに輝かせて質問してくる旭。だがその質問は見当違いだ。

「少年漫画じゃあるまいし、いるわけないだろ?」

「な、なら殴り合って友情を深めたりとか…。」

「今絶対できないだろ。昔よくケンカはしていたけど、友情が深まるどころかずっと険悪だったよ。」

 という感じにどんどん論破していくと、彼女はすねるかのように口をとがらせながら床をゴロゴロと転がった。

「ちぇーちぇーちぇー!そういう時は嘘でも面白い話を聞かせてくれるのがやさしさだろおおおおおおお!」

「うるさい。俺には優しさも慈悲もないんだよ。」

「ボクみたいな美少女には持ってもいいじゃないかああああ!」

「自称美少女に持つ慈しみなどないな。」

 微妙な少女約して微少女なんて方があってるんじゃないか?…そういえば、前の敬語は一切消え、一人称も本当に「ボク」に定着したな。前に自分の姉が使っていた時は結構イラついたが、彼女のようにずっと使われてくるとなると案外なれるものだ。いや、これで外出たらまず間違いなく変人扱いされるけどね。

「週に一度しか来てくれないんだから、もうちょっとデレてくれてもいいじゃないか。」

「俺は漫画アニメとかのヒロインじゃないから、必要ない。」

 すると旭が飛び起きたそして必死そうな顔で叫ぶ。

「いやいや!男こそデレるべきだよ!」

「はあ?」

 なんだこいつ。なんでそんなに必死そうなの恐いんだけど。

「白髪の美少女だよ!?世界でも希少な白髪の超絶美少女!さらに完璧なプロポーション!!男なら「グへへ、旭ちゃん可愛い。」とか言ってデレるべきだって!」

「それはただの変態だ!」

 恐らくネットで得た知識だろうが、どんな笑い方だよグへへって。よだれたらしながらそんな笑い方してたら速攻で俺は通報するぞ。ゼスチャーやめろ!

「まったく、お前男を何だと思ってるんだ。」

「へ?けだもの。」

「コンにゃろ。」

 失礼なやつめ。けだものっていうのはセクハラしながら看護している鶴田さんみたいな人のこというんだよ。あの人ほかの患者にもあんなことしているならマジでいつか通報されると思うけど。それにしても壁がなければこいつに一回チョップをくらわせてやりたい。その姿に旭は楽しそうに笑った。

「あはっはっは!本当、千明君は面白いなー!」

 はあ。…本当にこの壁を壊すことができるなら…



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