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赤い月の下で  作者: 黒猫館長
第一章「白い一室での物語」
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第16話「寂しい?」

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「えー!?千明君そろそろ退院するの!?」

「ああ。」

 旭はまるで俺が退院することが一生あり得なかったかのように大げさに驚いた。

「そ、そんな…外に出たら、私に並ぶ美少女がいないからってこの世の女性たちに完全に絶望して首をつって…ああ可哀そうだよ。」

「自意識過剰なんだよ。そんなことで首つるわけないだろう。」

「えーでもー、私に並ぶ美少女なんてこの世に存在しないじゃないですかー。」

「何故言い切れるんだ井の中の蛙め。」

「ネットの世界で一番美人とか調べましたけど、やっぱり私には到底及ばないからだよ。」

「悪いが美的感覚なんて主観だろ。大衆的にはあれが一番なんだよ。多分。」

「じゃあ君はどっちなの?」

「はあ?」

「ネットで言う世界一の美女とボク、どっちが好み?どっちでもないはなしで。」

 また面倒くさい質問を。ぶっちゃけネットとかで出てくる世界一の美女って外人だからか自分からするとおばさん臭く感じてしまう。だけどこいつの方がいいとか言ったらまたウザがらみしてくるのは明白だ。どうこたえるか。

「両ホーチョーかわいー、牧場で飼いたいー。」

「えっ!?超可愛い!?イヤー照れるなー。やっぱり君は旭ちゃんが大好きだなー。」

「皮肉に決まってんだろ。お前なぞ牧場の家畜と大して変わらん。」

「うん。そうだね。」

「いや否定しろよ。」

「んー、否定する要素がないからなー。」

「はあ。」

 わかってはいたが、こいつは出会ったころから何も変わっていない。口は笑っていても目は笑っていない。今のは完全にこちらの失言だというのに、怒るそぶりもない。

「ねえ千明君。」

「なんだ?」

「退院しても病院来るよね?」

「そりゃな。足が完全に治ったわけでもないし。」

「…足が治っても来るよね?」

 旭の顔から俺は感情を読めない。それがどういう気持ちで言ったものなのかまるで分らないのだ。

「普通は来ないが、なんだよ来てほしいのか?」

「うん。来てほしい。だって寂しいもの。」

「寂しいか。」

「そうそう。君だって寂しいだろ?」

「寂しいか。…そうかもな。」

「うおおおおおおおおおお!千明君がデレた!ツンデレの千明君がついにデレた!」

「うるっさいつうの!」

 すると彼女はまた微笑んだふりをして、

「ありがとう千明君。」

といった。ため息をつきたくなるが、俺も答えを返す。

「…ああ。」

 人はなぜか寂しいと感じる。誰かと別れるとき、もう会えないかもしれないと思うときなぜか俺たちはそう思う。出会う前はそんなことなかったのに、出会ってしまえば別れがありこの思いに苦しむのだ。ならば俺たちはどうして出会うのか?きっとその寂しさ以上に大切なものがあるのあろう。きっとどこかに。

「What do you~」って「ワルユー~」って発音になるらしいって聞いてびっくりしました。

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