プロローグ
「どこだここ?」
俺は気づくと白い部屋にいた。白以外の物がない、おかしな部屋だ。そして目の前には何故か浮いている爺さんがいる。
「初めまして、佐陀くん。唐突で悪いんじゃが君には異世界に行ってもらう。」
「はい?」
「説明するからそのイカレタ人を見るような目はやめてくれんかの。」
〜説明中〜
「えっと要約すると俺が落ちた穴が異世界に繋がっていた穴で、俺はもう現世ではマンホールに落ちて死んだことになっていると。」
「その通りじゃ。ついでに言うと儂は神じゃ。」
「でしょうね。」
「意外と驚かんのう」
「そりゃ常に浮遊してる爺さんが一般人な訳ないでしょう。」
この爺さん出会ってから今までずっと浮きっぱなしだし、何もない所から湯呑み出してきたり、明らかに普通じゃない。
「早速じゃがお主のこれからについて話そう。」
「お主には異世界でダンジョンマスターになってもらう」
ダンジョンマスターと言えば迷宮を作り運営する存在だったはずだが。
「その通りじゃ。」
「ナチュラルに心読むのやめてくれませんか。」
「そんなことはさておきじゃ、お主にはこれを回してもらう。」
爺さんがそう言うと何もない所から巨大なガチャガチャが出てきた。
「なんですかコレ?」
「ガチャガチャじゃが?」
そんなことは見ればわかるわ。この爺さん俺の反応を見て楽しんでやがる。いい性格してやがる。
「ほっほっほ、そう褒めるな。」
「褒めてねえよ。」
「まあ、このガチャガチャでお主の種族を決めるのじゃ。」
「人間のままじゃダメなんですか?」
「お主の体は穴に落ちた時に世界をこえる衝撃に耐えられずチリになったから無理じゃ。」
「そうですか。」
「まあ、ガチャで人間が出ればまた人間として生きられるから心配するな。出る確率は限りなく低いが。」
「まあ、何になっても第二の生を楽しみますよ。」
「ほっほ、そうじゃの。では回すがいい。」
俺はガチャの前に立つとレバーを握った。いいのが出るように祈りながらレバーを回す。するとガチャが虹色に光始めた。
「えっ、マジで。」
爺さんがなんか慌て始めたが俺は出てきた虹色のカプセルをあけた。中には一枚の紙が入っていて、紙には文字が書かれていた。
「ヨルムンガンド?」
「お主やりよったな!」
「コレそんなにすごいんですか?」
「すごいと言うレベルではない!確率でゆえば1億分の1じゃぞ!」
そんなことを言っていると俺の体が透けはじめた。
「なんか透けてきたんですけど!」
「異世界への移動が始まったようじゃな。ダンジョンマスターについては向こうに行ったらわかるから頑張るじゃぞ。」
「お主にはダンジョンマスターとして生きてくれれば他には何も求めん。お主の生に幸多からんことを。」
爺さんがそう言うと俺の意識は闇に落ちた。