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イベントからの映画とドラマ

『ぱられる』本筋に戻ります。


 クロの親衛隊イベントが終わり、輝竜衆を送る

竜達が飛び立ちました。


『次はライブで会おうなーーーっ!♪』


 クロ(黒髪サクラ)が、輝竜と月衆と輝竜衆(ファン)達を背に乗せ、飛び立った竜達に大きく両手を振った。


「あとは片付けるだけだねっ♪」


 サクラはマイクを仕舞うと、髪を自分色に戻し、ぴょんぴょんと撤収中のグッズ売場へと移動した。




「ミモザ♪ アンズ♪ 順調?♪」


「グッズなんて殆ど残ってなかったもの♪」

「あとは家賽を小さくするだけよ♪」


「出発ギリギリまで行列だったもんねぇ。

 んじゃあ、残りグッズは月衆の皆さんに~♪」


「「そうね♪」」




 そうして3人は全会場の家賽を箱に仕舞い、ラベルを貼って、全てを集縮の壺に入れた。

もちろん全会場、浄化済みだ。


「どうして築造にしなかったの?」


「最初は築造したんだよ。

 でもね、これからを考えて、少しずつ家賽に入れ換えていったんだ」


「これから? ライブの時の宿泊所?」


「それもある~♪

 あと、お正月とかの参拝者さんのとかも♪


 それとね、災害時の避難所とか。

 俺達が住んでる間は、そんなのナシにするよ。

 でも、将来は自衛してもらわないとね」


「闇の神を倒した後、って事ね?」


「そ。ずっとは居られないからね。


 でもねっ♪ きっと、だいじょぶ♪

 人神様も、たっくさんなったし~♪

 クロ兄と姫なら護れると思うから~♪」


「「そうよねっ♪」」


「天守に預けてくる~♪」曲空♪


「「待ってよぉ!」」追い掛け曲空!



――中の城、天守。


「お殿様♪ コレ持って来ました~♪ あ……」

「サクラ!」「置いてかないで!」「「あ……」」


「「「失礼致しましたっ!」」」


「よいよい♪」わっはっは♪

「その壺に宿泊所が入っておるのだな?」


「「「はい♪」」」


「如何にすればよいのだ?」


「壺に手を入れると、箱に当たります。

 それを取り出して、蓋に書いてあるのを読んでください。

 必要な面積は、だいたいの目安です。

 調整は家賽がしますので、広い所が必要、狭くても大丈夫、くらいに思ってください。

 あとは中身を地面に置くだけです。

 置いたら離れてください。

 小さいので試してみますか?」


「うむ」


「これならいいかな?

 救護室の寝台です。どうぞ」


「真、賽子だな♪」摘まんで眺める。


「小さいのは投げても大丈夫です」


「ふむ」ぽいっ。


「3、2、1、はい♪」


ポンッとベッドが現れた。


「ほう♪ 見事だな♪」


「仕舞う時は、どこかに赤いポッチが有りますので、それを押すだけです。

 生き物が居たり、物を沢山置いていると、小さくなりません」

説明しながら小さくして箱に入れた。


「その壺には如何程 入っておるのだ?」


「昨日までのイベント会場が全て入っています」


「ほほう♪ 竜の物は天晴れ見事だな♪」


「お褒めに与り、光栄至極で御座います」

にこにこにっこり。


「ふむ。

 魔竜王殿、今後共、我が国を宜しくお頼み申す」


「こちらこそ末長く宜しくお願い致します」


互いに丁寧に礼をし合った。


「でもねっ、人界(こっち)では俺、輝竜だから、楽し~く、仲良~くでお願いしま~す♪」


「儂は輝竜衆だからの♪

 其方も長き活動を希望致すぞ♪」


「がんばりま~す♪」



♯♯♯



 3人は洞窟に帰った。


「たっだいま~♪」


「お帰り、サクラ。

 あ、ミモザとアンズもお疲れ」


「「ただいま戻りました♪ お兄様♪」」


「アオ兄、もぉ行かなきゃでしょ?」


「そうだね。キン兄さんも待っているよ」


「どこに行くの?」


「音楽事務所だよ。読み合わせなんだ。

 今日の部分、輝竜は俺達とキン兄さんだけなんだよ。

 二人は、これからどうするの?」


お母(ユリ)様とお約束してるの♪」

「映画を見に行くのよ♪」


「何度も見てたよねぇ?」


「娘達と行きたいんだよ。

 ルリも、なのかな?」


「「はい♪」」


「アオ、執務は終わったぞ」現れた。

【アンズちゃん♪ ミモザちゃん♪】


「「お母様♪ お姉様♪ 行きましょ♪」」


【アオ様とサクラ様は、封切りイベントには?】


「俺達はシノビマンの方です。

 そちらはハク兄さんとフジ、クロとアカの2組が行っています」


【あらあら、フジ様、大丈夫かしら?】


「大丈夫ですよ。

 親衛隊イベントでソロパフォーマンスして、何かフッ切れたようですから」


「ハク兄とクロ兄、俺の複製だし~♪」


【サクラ様は、とっても器用なのね♪】


「アオ兄もできるんだよ~♪」えへへ~♪

「出来ないからね」


「「お母様♪」」


【あ、そうね♪ 行きましょ♪

 お願いね、ルリ♪】


 ルリが苦笑しつつ、母の水晶と妹達を連れて曲空した。



「アオ、行けるのか?」


「あ、キン兄さん。行きましょう」


「いっしょに~♪ せ~のっ♪」曲空♪




♯♯ 城下 中のホール ♯♯


『皆、親衛隊イベントが終わったばっかなのに来てくれて、ありがとなっ♪』


『映画の公開が遅れてしまって申し訳ありません。

 でも、その分、良いものが出来たと思っています』


『ほぼ実録。現実なんだ。

 だから、よ~く見て、知ってくれ』


『私達は、これから竜と共に、地下界に進みます。

 その模様も、またの機会にお見せ出来ると思っています』


『この映画は、その第1弾ってワケだ。

 笑える場面も有るぞ♪

 存分に楽しんでくれよなっ♪』


『それでは、どうぞ』


 ハク(銀髪サクラ複製)とフジが深く礼をした後、左右に()けた。


 照明が消えていき、主題歌『竜と共に』が流れ始め、七色の竜に乗り、風を切る輝竜の姿が映し出された。


 歓声が上がる。



 ホッと胸を撫で下ろしたフジが控室に入ると、仁佳での封切りイベントを終えたクロ(黒髪サクラ複製)とアカが曲空して来た。


 続いてハク(銀髪サクラ複製)が現れる。

「全会場に挨拶、ちゃ~んと流れたって~♪」


「どちらの挨拶が、なのですか?」


「竜ヶ島はフジ兄ので~♪」銀髪。

「大陸はアカ兄のだよ~♪」黒髪。


「そう、ですか……」「む……」二人、真っ赤。


「映画館の数は、おんなじだよ~♪」黒髪。


「大陸は、そんなに(まば)らなのですか?」


「様子見て増やすんだって~」銀髪。


「サクラ……そろそろ髪色を戻しませんか?

 兄様とのギャップが……その……」ぷふっ♪


「「そぉだね~♪」」きゃははっ♪

「「んじゃあ、せ~のっ♪ (サクラ)色♪」」


「本体は、どうしているのですか?」


「「本気で本読み~♪」」


「キン兄様とアオ兄様も、ですか?」


「「うんっ♪」」

複製達は満面の笑顔で、髪を金と青にした。

「とうっ!」「逃がさぬ!」「消えたぞっ!」

「アオ、光を放つのだ!」「はい! 兄者!」

「居たぞ! 偽サクラ!」「後ろにもっ!?」


 サクラ複製達の迫真の演技が続く。



(あ! 笑っている場合ではありませんね)


(む?)


(次のシーンからは皆、揃うのですよ?)


(そうか……明日、読み合わせだったな)


アカとフジは台本を開いた。


それを見た複製達は、

「練習する?」「他の兄貴トコやる~♪」

にっこにこで覗き込んだ。




♯♯ 天竜王城 ハクの執務室 ♯♯


「どうしてハクだけは覚えられんのじゃろうなぁ」


「んな事 言われてもなぁ。

 ス~っと抜けちまうんだよぉ

 なんとかしてくれよぉ、シロ爺さまぁ」


「ギンより手強いとは……困ったのぅ」


コンコン。『お~い、親父』


「噂をすればギンじゃな」


「いつになったら隣室(俺の執務室)に来るんだ?」


「ハクの執務を見てやってな。

 王学の話をしておったんじゃ」


「俺に用が有って城に来たんじゃなかったのか?

 そんなに暇じゃないんだが?」


「ならば先にギンの方を済ますかの」


「まぁ、ここでもいいか」入って座った。

「で、何だ?」


「フジの薬医師の件でな」


「何か問題か?」


「いやいや、大いに賛成でな。

 薬師と医師じゃった長老達が後押しさせろと大騒ぎなんじゃよ。

 一枚噛ませてやってはくれんかのぅ」


「こっちも、誰も反対してはいないぞ?」


「開業医達が反対しそうだと思わんか?」


「そうか……儲けが減ると考える輩が居そうだな。

 だが、それも薬師と組めば同じだろ?」


「根深くなりそうじゃと老人は懸念してしまうんじゃよ」


「まぁ、賛同者が多い事に何の問題も無いが。

 一応アサギ様にご相談しよう。

 コハクも誘って、アサギ様の執務室に行こう」


「そうじゃな。

 兄上と話すのなら、長老語は要らんな♪


 ハク、真面目に勉強するんだぞ。

 また後で来るからな。行くぞ、ギン」


 シロは意気揚々と出て行き、ギンは苦笑しつつ付いて行った。



「爺さま、話し方を変えると、声まで変わっちまうんだよなぁ。

 でも……爺さまでも『兄貴』を頼りにしてて、話すの嬉しいんだなっ♪

 アサギ様が若いままだから、なんか変な感じだよなっ♪」


(ハク兄~♪ 映画終わるよ~♪

 終わりの挨拶も俺の複製でいいの?)


(あ~、そうだな。頼む♪)


(まぁだ執務してるのぉ?)


(いや……勉強……)


(ヤル気になったの!?♪)


(いやぁ、させられてるんだっ♪)


(なぁんだ~♪ でも、がんばってね~♪

 あ、そだ。

 明日は、みんなで本読みだよ?

 セリフ覚えたのぉ?)


(げ……)


(がんばってね~♪♪♪)


(おいっ! サクラ! 助けてくれっ!)


(挨拶しなきゃだから~、後でねっ♪)




♯♯ 中のホール ♯♯


「ハク兄とクロ兄役、そのままねっ♪

 兄貴達~♪ 行こっ♪」ぴょんぴょん♪


 キン、アオ、サクラは、音楽事務所での台本読み合わせから、上映会の方に合流していた。


 輝竜が舞台袖に移動すると、上映を終えた会場内は明るさを増しつつあった。

客席の明るい表情から、兄弟は成功を実感し、微笑み合った。


「こちらでの挨拶を終えたら直ぐに仁佳会場だ。

 舞台袖に捌けたら曲空するように。行くぞ」


「「「「「「はい!」」」」」♪」





 出版社を訪れ、次作について話して帰ろうと

したスオウは記者に呼び止められた。

特に何の予定も無かったスオウはインタビュー

に応じる事としたのだった。


記「スオウ先生、『杏の花影』について

  伺わせてください」


蘇「今回は私ひとりですか?」


記「そうですが、虹紲大臣殿下をお呼びした

  方がよろしかったでしょうか?」


蘇「とりあえず私ひとりで頑張りましょうか。

  お忙しい方々ですので」


記「では、早速ですが、今回のお話は

  虹紲大臣殿下の補佐、アンズ様のお話と

  いう事でよろしいでしょうか?」


蘇「はい。班長――いえ、ルリ様からお話が

  ありまして、書く運びになったんです。

  その後、アオ様ともお話しして、完成に

  至りました」


記「アンズ様とは、お話は?」


蘇「お会いはさせて頂きましたが、物語の

  流れは、アオ様とルリ様からのお話が

  軸となっておりまして、アンズ様には

  ご確認頂いたという感じです」


記「それで、ここが一番気になっているの

  ですが、アオ殿下とアンズ様は、本当に

  ご結婚なさるのでしょうか?」


蘇「そうなるといいですね」


記「えっ? では、だから書いた、という

  事ではないのですか?」


蘇「ルリ様からは、育つのを見守れなかった

  妹様がいらっしゃるから、物語として

  纏めて欲しいというお話だったんです。

  ルリ様の代わりに見守ってきたアオ様に

  とっては本当に妹様という存在だそう

  なんです」


記「アンズ様ご自身は?」


蘇「そこなんですよね。

  アンズ様はアオ様が……ここまでにします。

  デリケートな事ですので」


記「そこが聞きたいのにっ!」


蘇「まだ、これからですのでね」


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