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少しずつ家族になる

 確かに、キンが『ルリ先生』をしても

違和感なんて無いですよね?


(サクラ、見える?)


(うん。光ってるの、水晶かな?)


(だと思うよ。複数……けっこうな数だね)


(アオ兄、俺ここで念網持って待つから……集められる?)


(ちゃんと繋いでおくからね)


 ルリと共心しているアオは、サクラと繋いでいる掌握を起点として、別の掌握を光の点へと伸ばした。


(サクラ、辛かったら言ってね)


(アオ兄と掌握()繋いでたら だいじょぶ~♪)


サクラの掌握が持つ念網の中に水晶が現れた。


(いっこめ~♪ うん♪ 神様いるよ♪)


次々と水晶が現れる。


(アオ兄すっご~い♪)


(俺じゃなくてルリだよ。

 四半神竜でも凄いんだね)


(神様、なりたくなった?)


(全く)


(やっぱり~♪)きゃははっ♪


(もう、この辺りには無さそうだけど……気になるから、こっちに行くよ)


繋いでいる掌握が動き始めた。


(サクラ、大丈夫?)


(へ~き♪)



♯♯♯



【フローラ、二人の様子は?】


【二人の掌握は、とても遠くに在るわ。

 そう感じるんだけど……見えないの】


【フローラでも見えないなんて……】


【酒倉でも連れて行ってもらったくらいよ?

 私では無理よ】


【おい、コバルト。

 いちゃついていないで、彼奴等を支えろ。

 剛鬼は全開だ。あとは御前だけだろ】


【いちゃついてなんかいない!】


【兎に角、闇で支えろ】


【オッサンこそ、プラチナ様を放ったらかすなよなっ】


【今はカルサイと話している。

 そっとしておきたい】


【なんか……オッサン、少し変わったな】


【煩い。早く行け!】


 ゴルチルの顔は怒って赤くなっているのではない、とコバルトは笑って、アオ達の方に向かった。



♯♯♯



(こっちも水晶あったね~♪)


(もう気を感じないから戻ろう)


(うん♪ いっしょに神速しよっ♪)


(掌握で?)


(だって~、コレ持ってかなきゃ~)


(そうだね)


(んじゃ、せ~のっ♪)ばっびゅーーーん!



♯♯♯



【カルサイ、ごめんなさいね。

 ずっと黙って――いえ、騙していて】


【いいえ。それは、お姉様の優しさです。

 ありがとうございます。

 護ってくださって。育ててくださって――】


【皆様、こちらにお集まりでしたか】


【父さん……あ、母さんも。ウォメロさんも。

 どうしたの?】


【ただ、プラチナの気を辿っただけだよ。

 仲良くなれたのかな?】


【まだまだあの兄弟のようには……でもね、カルサイが『お姉様』って呼んでくれたの♪

 育てていた頃は『お祖母様』だったから、もう嬉しくって♪】


【そうか。良かったな】にこにこ。


【お姉様……恥ずかしいのですが……】


【もう暫く、この嬉しさに浸らせてよぉ】


【お姉様……】真っ赤っか。


【カルサイ様、こんな娘で、すみません】


【父さん、他人行儀はダメよ。

 母さんの子は皆、父さんの子よ♪】


【こんな事を申しておりますが、よろしいのですか?】


【そうして頂けると嬉しいです】真っ赤なまま。


【カルサイ、父様が多くて幸せねっ♪】


【はい♪】


【母さん♪ ウォメロ父さん♪

 離れてないで、こっちで話しましょ♪】



♯♯♯



【セレンテ、大丈夫ですか?】


【もう大丈夫よ、ルバイル。

 ありがとう、あなた。

 私の記憶も、あの子達も眠っていたのだから、今日から始まるのよね。私達】


【そうですね。

 また、アオとサクラに救われました。

 本当に、越えた先に幸せが有りました。

 再誕させるのも数千年先です。

 ゆっくり育てましょう】


(ドルマイ)がお婆ちゃんになってしまうわね】


【まぁ、神なのですから、そんな姿にはなりませんよ】


【そうね♪】ふふっ♪

【私ね、今、男神も育てているの。

 最近、若い神と覚醒したい神竜だらけなのよ。

 皆、アオとサクラを目指しているの。

 二人に救われたから、って】


【確かに力は大神ですからね】


【私……若い神達に囲まれて、育成の神としても弱い所なんて見せられないって、これまでずっと上に立っていたわ。

 でも、間違っていたのかも……あの二人は上に立とうとはしない。

 そうしなければならない時でも、心は上には居ないのよ。

 それなのに目標とされて……偉大なる大神だと皆に認められているわ】


【偉大なる子孫ですよね】


【その通りね。

 先祖が子孫より偉いだなんて、甚だしい思い上がりだわ。

 あの二人は、見失っていた事を次々と教えてくれるわ。

 そして、誰であっても命懸けで救おうと出来るのよ。

 私も、とうとう救われてしまったわ。

 若い神達の気持ちが、やっと解ったの。

 その気持ちを汲んで、しっかり育てるわ。

 きっとそれが、あの二人に対して、私に出来る最大の恩返しになると思うの】


【そうですね。

 若い神達も、二人の力になりたいのでしょう。

 頑張ってくださいね、セレンテ】



♯♯♯



【それで、父さんは用が有ったんじゃないの?】


【ああ、そうだった】


【忘れてたの?】


【プラチナとカルサイ様が話しているのを見て、感動してしまってね】


【また『様』を付けているわよ♪】


【ああ、つい】はははっ。


【用は?】


【ロズオラとウォメロ君が神に成りたいそうなのだよ】


【お母様は原神ですので、すぐに成れますよ。

 お父様も少し修行すれば成れます。

 とても大きな器を持っておられますので】


【カルサイも話し方が堅いわ】


【これは……ずっとこうですので……】


【そういえば、そうだったわね。

 ルバイルの影響ね♪】


【プラチナ、カルサイさ――あ、いえ。

 カルサイ、それで何方にお願いすれば良さそうなのかな?】


【だったら(セレンテ)に頼めばいいわ。

 育成の神なんだから♪

 セレンテ!】



【どうしたの?】

ルバイルと手を繋いで飛んで来た。


【もうひとりくらい増えてもいいわよね?】


【何が?】


【生徒♪】


【いいけど……】


【ウォメロ父さん♪ 先生よ♪】


【ええっ!?】


「あっ、あのっ、宜しくお願い致します!」


【セレンテ、しっかり育てるのでしたよね?】


【ルバイルったらぁ】


育成の神(セレンテ)、頑張ってねっ♪】


【もうっ皆して~。私は厳しいわよっ】


「はいっ! お願い致します!」



「引き出します!」「せ~のっ♪」


大きく膨らんだ念網が、鏡からズルズルッと出て来た。



【行きましょ♪】【そうねっ!】

(プラチナ)(セレンテ)が手を繋いで飛び、皆、それに続いた。


カルサイが振り返り、戻った。

【お母様、お父様、神の仕事をよくご覧になってください】

両親の手を取り、再び飛んだ。




 最終的には閻魔大王とコバルトが、闇で支えていた鏡が下ろされた。


【コバルト様の闇も、なかなかのものですな】


【いえ……俺なんて……】


【その強い闇障を受け継いだアオ様とサクラ様が魔神界にいらしてくださらなかったら、いずれ閻魔族は滅亡していたでしょう。

 呪に掛かった事で、生きる道は違ってしまっても、コバルト様が偉大なる大神様である事に、何ら違いはございません。

 強き光と闇をお持ちの大神様として、あのお二神様の善きお手本とお成りください】


【……ありがとうございます】



「始祖様ぁ、手伝ってよぉ」


「後で何曲でも奏でますから、お願いしますよ」


アオ達は水晶玉を並べていた。


【どうして分けているんだ?】


「年代が違うの~、始祖様も分けて~」


「とても古いもの、たぶん10万年以上前。

 最も多い、数万年前のもの。

 数は少ないのですが、その間。

 それと、闇の神でない気を感じるもの」

水晶の塊ごとに指して言った。


【闇の神でないだと!? 何者の気だ!?】


「知りませんよ。遥か昔なんですから」

「ゴルチル様ぁ、どぉして怒るのぉ?」


【オッサン、邪魔するなよ】睨む。


「始祖様、言葉が――」「おかえりなさ~い♪」


【俺としては不本意なんだが、皆、呪の俺の話し方がいいんだと】ケッ。


「俺も、そっちがいいです」「俺も~♪」


【だから努力してるんだよ!】


【父上様、私は『愚息』でお願いします♪】


【解ったよっ】ったく~。


【コバルトは、どうしても『ジジィ』とは呼んでくれないのです】


【爺様だけはムリだからなっ!】


【でも私は『ババァ』なのよねっ♪】


【喜ぶなっ!】


【私は? ゴルチルが『オッサン』だから~?♪】


【プラチナ様までっ!

 どーして皆して期待してるんだよ!?

 親父! 笑ってないで何とかしろっ!

 アオ! サクラ! 笑い過ぎだっ!】



♯♯♯



「楽しいわねっ♪ ミモザ♪」


「うん……♪」


「ミモザお姉様?」


「え……?」ぽっ。


「アオお兄様の複製なのだから、私にはお姉様よね?

 私はサクラの複製ですもの」


「そう……なるのかな? でも、ミモザがいい」


「うん♪ でも、外では『ミモザお姉様』ね♪

 私はアンズのままねっ♪」


「うん……アンズ……」


「はい♪」


「これ……」


「え? なんだか不思議な気ね……お兄様!」



「どうしたんだい?」


「この水晶、不思議な感じなの」


「確かに……封じられている方が……どうやら神様ではないようだね」


「俺も見る~♪

 ホントだ……このヒト、三界のヒト?」


「フローラ様、お願いします」





ビ【で、待つのは諦めて、ここに来たのか?】


匡「諦め……なのかも知れませぬが、

  新たな道も良いかと参ったので御座る」


ビ【修行の道か?】


匡「いえ……其は当然、大事なると存じて

  おりまするが、そうではなく――」


ビ【新たに好きな女が出来たのか?】


匡「好かれてしまったと――」頬染まる。


ビ【ここは男ばかりが住んでおるのだぞ?】


匡「杏姫様に――」真っ赤になった。


ビ【それは有り得ぬ】サクラだからな。


匡「しかし! 拙者に優しく――」


ビ【誰にでも優しい。それだけだ。

  それに、アオの妃となるそうだ】


匡「ええっ!?

  青右衛門様には瑠璃姫様が――」


ビ【何人目だろうが問題なんぞ無い】


匡「確かに……高位の御方ならば……嗚呼……」


ビ【ま、普通に人の中から探せ】


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