表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/288

第八十話・おっさん、お腹が空く


「帝国グランディーネか...それじゃ早速、明日朝一番に隣の大陸の

地図を購入しにいかないといけないねぇ!」


「ああ、そうだな。地図があるとないとでは、冒険の爽快さがまるで

雲泥の差だもんなっ!」


床に広げたこの大陸の地図を見て、俺はウンウンと頭を何度も縦に振る。


「あ。でも朝一番じゃなくてもいいぞ。どうせギルドに寄るんだから、

その途中で買っていけばいいんだからさ!」


グゥゥ~~。


あ。今後の予定が決まって気が抜けたら、何かお腹が空いてきたな。


「なぁ、ルコール。腹が空いてきたし、食堂が閉まる前に今から何か

美味しいもんでも食いに行かねぇか?」


「勿論、行くに決まってんじゃん♪」


「...よっしゃ。んじゃ、善は急げと言うし。早速、飯を食いに食堂へ

行こうぜ♪」


「おう♪」


俺はルコールから同意を得ると、床に広げていた地図をキレイに畳んで

アイテムボックスにしまい込み、そして食事を取る為にルコールと一緒に

食堂へと向かう。




「あら、あなた達は先程の?ふふ。やっぱりお腹が空いちゃいましたかぁ♪」


食堂に向かう為、二階から降りてきた俺達に宿屋の元気な娘さんが気付くと、

元気な声を上げて話しかけてくる。


「まぁね。それで食堂の方はまだ開いているかな?」


そんな元気な娘さんに、俺は食堂の営業時間を聞いてみると、


「はい。ギリな時間ではありますが、今から行っても十分間に合うと

思うますよ~♪」


元気な娘さんが時計のある方向に指をビシッと差して、大丈夫だと

俺達に伝える。


「そっか、ありがとう!えっと......」


そ、そういえば、この娘の元気力に押されて、まだ名前を聞いて

なかったっけ?


「...ねぇ、キミ。もし差し支えなかったら、キミのお名前を伺っても

いいかな?」


「あらら?ひょっとして、お客様。私の事...お口説きですかぁ~?

キャッ♪」


レンヤの質問の意味を勘違いした宿屋の元気な娘さんが、身体を左右に

クネクネとさせ、黄色い声を口からこぼれる。


「口説くって...なんでそうなる。俺は世話になるこの宿屋で、一番顔を

合わせるキミだから、名前を聞いただけだ。キミの名前を知らないと

用事を頼む時に、何かと不便だろう?」


「うわ...お客様って、ホントにつまらないお人ですねぇ......そこは

動揺して顔を真っ赤にする場面ですよ......ハァ、やれやれです」


ナンパを冷静に否定してくるレンヤに、宿屋の元気な娘さんが両の瞳を

キョトンとさせた後、レンヤのその態度に呆れてしまい、軽い嘆息を

吐いてしまう。


「ふふ。スマンな、娘さん。俺はあいにく、ボン!キュ!ボン!...にしか

興味がないんでな♪」


「―――はうっ!?」


元気な娘さんから二回もつまらないと言われたレンヤは、その意趣返しと

言わんばかりに、皮肉のこもった口調で意地悪を言い返した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ