第六十九話・初めての食事
―――ここはリタイの町の大通りを少し進んだ場所にある屋台通り―――
そこに俺とルコールは、軽く小腹さんを満たす為にやって来た。
「......げっぷ! 軽い間食のつもりだったのに美味しそうな匂いを漂わせる屋台がいっぱいあるから、つい想定以上に食べてしまったっ!」
「ホントだねぇ~。この町は昔から美味しい食べ物を売っている屋台が多かったけど、今は更に美味しさが上がってるよぉ~! パクモグモグ、くぅ~旨いっ♪」
「ふう。さて腹も満たされた事だし、そろそろギルド御用達っていう宿屋に向かおうか!」
「ちょ、待っててば! まだ食い終わって......ハグ、モグモグ!」
レンヤが最後のひと口をパクっと食い終り、宿屋に向けて歩き出すと、ルコールが慌てて手に持っていた食べ物を口にパクッと放り込み、レンヤの後を急ぎ追いかける。
―――それから宿屋を目指して歩く事、数十分。
「ねぇねぇ、レンヤ。ギルド御用達の宿屋ってさ、一体どんな感じの宿屋なんだろうね?」
「さぁな? でもイメージとして考えると、ギルド内にあった冒険者の憩いの場...あれに近いんじゃねえか?」
俺はギルドの中にあった酒場、そこで屯っている冒険者達を思い出し、それを今から向かう宿屋のイメージとシンクロさせる。
「確かにギルド御用達の宿屋だから冒険者達がいっぱいいるでしょうし、そんな感じの宿屋かもねぇ~!」
ルコールもレンヤと同じく、ギルド内の酒場を想像する。
「でも冒険者だらけとなると治安は大丈夫なのか? だってよ、さっきもいきなり......」
「あはは、そうだった、そうだった♪ あたし達がギルドを出た途端、レンヤのいうテンプレが発動したんだっけ♪」
そう、俺とルコールがミュミュ達に別れを告げた後、
ルコールの案で屋台通りに行く事となり、そこを目指して歩いている途中で起こった出来事。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ぐふふふ...」
「ど、どうしたの、レンヤ? 変な笑い声を出しちゃって? めっちゃ、キモいんですけど...」
「キモい言うなっ! いや~実は俺、この世界に来て何も食べていなくてさぁ...」
「え、そうなの?」
まぁ、ルコールのいたダンジョンを捜索中に城の連中からドロップした薬草なんかは口にしたんだが、あれはカウントには入んない。
だって、回復アイテムだし。
「......ってな訳で、今から食う食べ物がこの世界に来て、俺が初めて口にする食いもんなんだよっ! 異世界の食いもん、どんな感じか楽しみだぜ~♪」
俺はにこやかな笑顔で、異世界の食い物にワクワク感を溢れ出す。




