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第六十五話・宿屋に行く前に


「ふふ。良い情報をありがとうね、ミュミュ!早速そのギルドの

御用達っていう宿屋に行ってみるとするよ♪」


「おぉぉ~い、そこのサイドテールのお嬢さぁぁ~ん!俺も一応、

太鼓判を押したんですけどぉぉぉお~っ!」


「うっせぃっ!ドすけべマッチョは黙ってろやぁあっ!」


「―――ド、ドすけべマッチョッ!?」


ミュミュにしか感謝を述べないルコールに、ギルマスが愚痴をこぼすと、

威圧の込った口調で煩いと一喝されてしまう。


「はは...すまんな、ギルマス。俺のとばっちりが飛んでじゃってるな」


あ。でも良く考えたら、そもそもの言い出しっぺはこのギルマスなんだから、

こいつの自業自得なのか?


しかし町の情報が豊富で満載なギルマスの隠れ家かぁ。


くうぅぅぅ!是が非にも行ってみたかったぜぇぇぇぇえっ!!


「おやん?レンヤさん、またキミから疚しいオーラを感じるんですけど?

気のせいですかな?」


「あははは...き、気のせいだって、気のせいっ!」


ルコールの圧の込もったジト目に、俺はニガ笑いをこぼしつつ、目線を下に

ずらすと、


「おっと、そうだった!ミュミュにこいつを渡すのを忘れてたよ!」


先程クエストボードから剥がした、クエストの依頼書を手に握っていた事に

気が付き、それをミュミュに手渡した。


「これは...クエストの依頼書ですか?」


手に受け取った紙をミュミュが目を通すと、それが依頼書だと確認する。


「ああ。今日はもう無理そうだけど、まだ期限があるみたいだったからさ。

他の冒険者にこの依頼書を取られる前に、取り敢えず受理だけを済ませて

おこうと思ってね!」


「なるほど、そういう事ですか!わかりました。では明日までに

この依頼書を受理しておきますね!」


ミュミュがニコッと微笑むと、受け取った依頼書を受理予定箱へ

丁寧に仕舞い込んだ。


「ありがとう、ミュミュ。じゃあ、俺達はそろそろ行くね♪」


「はい。お疲れ様でした、レンヤ様、ルコール様。また明日お会い

しましょう!」


レンヤとルコールがさよならの挨拶をしてギルドを後にすると、

ミュミュはその二人に向かって微笑み頭を小さくペコッと下げた。






「さてっと...ギルドの薦める宿屋がある方向って、こっちの道で

良いんだったよな?」


俺がギルドで見た、今日泊まる宿屋の記載されていた場所へ顔を

向けていると...


「ねぇ、ねぇ、レンヤ!宿屋に行く前にさ、この先の方にある

屋台通りで何か間食をしていかない?」


ルコールがお日様の様なキラキラな笑顔で、俺にそう聞いてくる。


「屋台通り?」


「うん!このリタイの町はね、美味しい食べ物を売る屋台の並ぶ、

屋台通りが有名なんだよ!」


「へぇ..美味しい食べ物か......ゴクリ!」


このルコールがお日様の笑顔で語る屋台通りというものに、

俺は一体どんな美味しい物があるんだろうと、ちょっと......いや、

かなりの期待が膨らんでくる。


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