第四十六話・冒険者ギルド
冒険ギルドに向かってしばらくダッシュする事、幾数分後。
俺とルコールは、冒険者ギルドの前へと無事に辿り着いた。
「おおぉぉぉっ!デ、デケェェェェエエッ!?」
いや~遠くから見て、結構大きな建物だとは思ったはいたけれどもよ、
こんなにも大きいんだ!
「なぁ、ルコール。この大きな建物が冒険者ギルドで間違いないんだよな?」
「うん。ここで間違いないけどさ。何かあんた、テンション高くない?」
「そりゃ、テンションも高くなるってもんさ!だってギルドだぞ、冒険者ギルド!
昔、愛読していた様々の物語りに出てくる、冒険者ギルドが俺の目の前に
あるんだぞ!」
さっきまではあやふやな感じだったけど、実際、冒険者ギルドの存在を
この目に確認しちゃうとさ、
これは夢なんかじゃないとばかりに、おっさんになった事で消えかけていた
童心感情というものが沸々と沸き上がってきて、それが一気に高ぶってきやがる!
「うおぉぉぉっ!これでテンションが上がらない方が、どうかしてるって話
だぜぇぇぇえっ!」
「はは...そ、そうなんだ。それは良かったね...。そ、それじゃ時間もない事だし、
取り敢えず、ギルドの中に入ろうか......」
「了解ですっ♪」
ニガ笑いを浮かべながら思いっきりドン引きしているルコールを他所に、
俺は興奮が冷めやらぬまま、ギルドの内へと入って行く。
ざわざわ...ワイワイ...
冒険ギルド内に入った瞬間、あっちこっちから冒険者達の談笑や喧談が
俺の耳に聞こえ入ってきた。
「おお!中も結構広いんだな。それに色んな格好をした人がいるぞっ!」
あれは剣を背中に背負っているから、戦士か剣士か?
あのとんがり帽子に身体を覆う程のマント...多分、魔法を使ったりする
職業の子かな?
あれは変わった格好をしているな?職業は一体なんだろ?
おおぉお!あの女性ってば、良い谷間をしていらっしゃ――
「こほん!レンヤさん。一体どこを見ているのかな~?」
「―――はう!?」
俺の目線の先に勘づいたルコールが、少しムッとした顔で俺の前に立ち、
ジト目をしてジィィーとガン見をしてくる。
「何か、めっちゃエロい目をしていたみたいけど?」
「い、いや、違うぞ!?お、俺は色んな職業の人がいるなって思っだけだ!」
「ええ~本当に~?あの女の谷間を見ていた気がするんだけど、あたしの
気のせいだった?」
「そう!気のせい、気のせい!ささ、そんな事よりもルコールさんよ!
お、俺はこの後、どうすればいいのかな?その説明を頼むよ!」
「お、上手く誤魔化したね、レンヤさん。ま、いっか。んじゃ説明してあげる!
まず...あそこに見える登録所で、ギルド登録の為の記入をするの!」
ルコールが指を差した場所に、登録を記入する為の紙とペンが置いてあった。
「そしてそこで記入を済ませたら、あそこに見える数人の受付嬢の内、
誰にでもいいからその記入した紙を渡すの。後は受付嬢が色々と説明をして
くれるから、それにしたがってね♪」
次に指を差した場所には数名の受付嬢が、受付の為に待機しているのが見えた。




