表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/288

第四十一話・ギルドカード


「でも役所で登録しないっていうんだったら、一体どこで身分証明を

作成するんだ?」


「えっと、それはね。冒険ギルドで冒険者登録の申請をして、この

【ギルドカード】を作成してもらえばいいんだよ!これさえ作っちゃえば、

どこの町に行っても、自分の身分を証明できちゃうからさ♪」


俺の問いを聞いたルコールが、自分のギルドカードを胸ポケットから

サッと取り出すと、俺の目線近く前にビシッと突き付けてくる。


「なるほど。そのギルドカードとかいうやつさえあれば、身分を証明でき、

そしてどこの町でもフリーで入る事ができるんだ?」


「うん、そういう事♪」


「へぇ~そいつは中々便利アイテムだな。でもそのギルドカードを

作成する申請って、どこまで書かなきゃいけないんだ?」


俺は先程思考した、あの城にバレるという疑念を払拭したい為、それを

ルコールに訪ねる。


「ああ、ハイハイ。王女様にバレる事を懸念しているんだね?それだったら

大丈夫だよ。冒険者の登録は偽名でもいいし、年齢を詐称してもいいし、

とにかく詳しい記入はしなくてもいいから安心しなよ!」


「え?そ、そうなのか?それなら一先ずは安心だけど。でも嘘の記入でも

いいだなんて、それはそれでどうなんだって、思うけどな......」


俺がザルな申請登録だなと、ニガ笑いをこぼしていると、


「そこは大丈夫。嘘の記入で大丈夫なのはね、ギルドカードを作成するに

あたり、契約の証明として一滴の血を使うんだけどさ、その血が自分と

いう証明を立証してくれるから♪」


ルコールが、嘘の記入でも大丈夫なのか、その理由を説明する。


「な、なるほどね、血の契約か。つまり、その血の契約で作成された

ギルドカードを魔法か何かを使用し、身元のチェックするって感じかな?」


「うん、そんな感じだよ♪それじゃま、身分証明の説明も終わった事だし、

早速、冒険者の登録と休む為の宿屋探しをするべく、ちゃちゃっと町の中に

入ろうか、レンヤ♪」


「おう、そうだな!」


ルコールがニコッと微笑んでそう述べると、俺はルコールと共に門の前へと

移動して行く。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ようこそ、リタイの町へ!では身分証明を拝見してもよろしいですか?」


「ほい、どうぞ。あ、こっちのおっさんは身分証明を持っていないから、

仮入場をお願いねぇ♪」


ルコールが自分のギフトカードを提示して、俺は身分証明を持ってない事を

門番へと伝えた。


「はぁ?そ、その歳で身分証明を持っていないのか......?」


身分証明を持っていない俺を、門番がジィィーと疑いの目で見てくる。


なので、


「あはは...すいません。自分、ここよりずっと東の方にある、名もない

地方での田舎暮らしだったもので、そういう証明とは無縁というか、

疎い生活だったんですよ!」


...と、咄嗟に思う浮かんだ事をバレないようと願い、門番に語っていく。


「な、なるほど、そういう理由があるのだな。それでこの町には何をしに?

やはり出稼ぎに来たのかい?」


「はい、仰る通りです。恥ずかしながら、うちの村はかなりの貧困でしてね。

ですのである日、こんな村で貧乏のまま死んじゃうのはゴメンだと、ふと思い

立ち、どうせ死ぬんだったら、昔から憧れだった冒険者となって、大きな

クエストをこなして一発稼いでやろうではないか!...とまぁ、そんな決意と

野望を胸に秘め、この町に遠路遥々とやって来た。そういう次第です!」


俺は門番の出稼ぎという言葉に便乗して、頭の中の引き出しに入っている

出稼ぎテンプレを懸命に取り出しては、門番にバレない様に会話を続ける。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ