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第四十話・身分証明を作成するには?


「やれやれ...ホント甘いんだから、レンヤはさぁ。敵意を持った相手に

躊躇なんてしてどうすんの!そんな態度を見せようものなら、それこそ相手を

喜ばせるだけだよっ!」


ルコールが真面目な顔で、然も当然といった口調で俺の戸惑いに答えを返す。


「まぁ、確かにこの世界の常識ではルコールの言う事の方が正しいんだろうさ。

けれども俺は平和ボケの世界から来ているから、そこんとこにはまだまだ抵抗が

あるんだよ......」


「ええ~うっそだぁぁあっ!だって、あんなに喜び勇んで盗賊達を叩き潰して

いたじゃん!」


「――はうっ!?」


「それにギガン城の連中もボコボコにした挙げ句、騎士や兵士の命といえる鎧を

追い剥ぎったんでしょう?」


「――はううっ!?」


次々と飛び出すルコールの図星なる発言に、俺は目を丸くして言葉を詰め、

何も言う事ができなかった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



それからしばらく空を飛ぶ事、幾数時間後。


高所恐怖症な俺は、高い所を飛ぶ事にとうとう限界がきてしまい、


「な、なぁ、ルコール。ここまでくればもう大丈夫だと思うからさぁ、

そ、そろそろ俺を地上に降ろしてくれないかな?」


と、ルコールに嘆願する。


がしかし、


「却下!地上を歩いて行ったら、野宿の可能性が大きくなるしねぇ~。

だったら少々我慢してでも空を一気に飛んで行き、日が暮れる前にリタイの

町に辿り着いた方がいいからねぇ~!」


俺の嘆願はルコールによって、無情にもポイッと投げ捨てられ却下された。


結局ルコールにそのまま抱きかかえられて空を移動し、リタイの町を

目指す事となった。




―――それから数時間後。




「無事に到着っと♪日が暮れる前に何とかリタイの町に着く事ができて、

本当に良かったよねぇ、レンヤ♪」


「はは...確かに予定の時間よりも早く到着する事はできたけど...はぐぅう、

き、気持ちわるぅぅぅ......い」


ずっと空を飛んでいたせいで、未だに俺の頭の中はグルグルと回っており、

身体を右に左にとフラフラさせてしまう。


「ほら、グズグズしていないでさっさと移動するよ!」


「ちょっ!ま、待ってくれって~~うぷ、気分がぁぁ...あ......」


そんな俺を置いてきぼりにして、ひとりでさっさと先に行ってしまう

ルコールの後を、フラフラな身体を無理矢理動かして、慌て様で追い

掛けて行く。


「おお。こ、ここがリタイの町かぁ。しかし大きな壁だな、これ?上の方が

霞んで見えるぞ......」


身体をフラつかせながら移動していると、俺の目の前に大きな壁が映ってくる。

それを見た俺の思考が興味津々へと切り替わっていくと、そのおかげなのか、

俺の空中酔いがドンドン消えていく。


「この大きな壁はね、簡素に言えば魔物避けなんだよ。後は悪党や盗賊、そして

身分の不明者なんかを町の中に通さない為の門でもあるんだよ!」


「へぇ、そうなんだ......って事は、身分の証明ができない俺は、この町の中に

入る事ができないんじゃないのっ!?」


もし町の中に入る事が出来なかったら「そうなったら、ここで野宿なの!?」と、

俺を目を大きく見開き、オロオロと狼狽えてしまう。


「そこは安心していいよ、レンヤ。ほら、あそこの門に門番がいるでしょう?」


ルコールがそう言った後、門へ向けて人差し指を差す。


「あの門にいる門番に入場許可を申請さえすれば、期限付ではあるけども、

リタイの中に入る事はできるから。そしてその後にリタイの町であんたの

身分証明を作成すれば良いだけ♪」


「そ、そっか。そういうシステムなんだ。安心したよ......」


ルコールから町に入る為の説明と、リタイの町で身分証明を作れるという

説明を聞いたレンヤは、取り敢えず、ホッと安堵する。


「でもその身分を証明するのって、どこで行うんだ?やっぱり役所的な場所で、

詳しい身分の申請登録をしなきゃいけないのか?」


俺は身分の証明をしたせいで素性がバレ、あの城から手配が来るのでは思い、

ルコールに身分証明の作成方法を訪ねる。


「ううん。役所で登録なんて、そんなクソ面倒くさい事はしなくてもいいよ。

身分証明の作成はそんなとこに行かなくても、結構気楽に作れちゃうから♪」


ルコールが首を左右に小さく振って、身分証明の作成方法はそんなに難しくも

面倒でもないと口にする。



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