第二百八十六話・サラバだ、同士アーニャよ
「よし、どうやら無事に二つとも習得しているみたいだな♪」
俺はギフトレベルの上昇、そしてホノカ達から貰った二つ
の魔法...ダークネスとヒールをちゃんと習得している事を
確認した。
「んじゃ、次は魔法の試し撃ちをしたい所なんだが...」
レンヤが覚えた魔法をどうやってチェックしようかと、
首を傾げて悩んでいると、
「あ!それでしたら、この船の最下層に訓練場があります
ので、そこで試し撃ちをなされてはいかがでしょうか?」
ミナルがレンヤにこう提案してきた。
「おお!訓練場があるんですね!」
それは都合の良い。
「ではミナルお嬢様。悪いんですが、その訓練場への
ご案内を頼んでもよろしいでしょうか?」
「勿論ですわ。ではレンヤ様、私の後を付いて来て下さい
ませ!」
そういう事で、俺はミナルお嬢様の案内の下、訓練場の
ある場所へ移動して行く。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「うおお!ここが訓練場ですかぁ~っ!」
俺は目の前の特訓場をキョロキョロと見渡す。
「それにしてもスッゴく広いですね、ここ!それに何て
言うか、金に糸目はつけんぞとばかりに豪華絢爛な設備の
特訓場だっ!」
「ここはわたくしのお父様がいつでも特訓の出来る環境を
と、細部まで拘った改造を何日も何日も掛けてお作りに
なられておられましたから.....はは」
ミナルは子供の様にはしゃぎ、特訓場の改造に勤しんで
いた父親の姿を思い出し、口から苦笑を洩らす。
「くくく。だろうねぇ!この特訓場、あいつの趣味趣向が
タップリと出ているもん♪」
ルコールもレンヤの横で特訓場の周囲をキョロキョロと
見渡し、ここをミナルの父親が作った事に気付く。
「ではレンヤ様。わたくしもご一緒にレンヤ様の魔法を
見ていきたいのですが、しかし少々ヤボ用が御座いまして、
ここで一旦失礼させていただきますわね。ほらアーニャ、
行きますわよ!」
「うえ!?」
ミナルがレンヤに軽く一礼すると、アーニャの腕を
グッと掴む。
「わ、わたしも一緒に行くんですかぁ!?」
「当たり前でしょう!今から行うのはあなたの用事なん
ですから!あなたの今の回復状況や、現在状況の状態を
アイテムに記録して、それらの総合結果を報告書として
纏めなきゃいけないんですからっ!ではそう言う事です
ので今度こそ失礼致しますわね、レンヤ様!」
「うう、行きたくないですぅう~~っ!わたしの愛する
レンヤ様の格好良いお姿を拝見いたしかったですぅぅ~
~~~うっ!!」
ここから離れたくないと抵抗し動こうとしないアーニャを
ミナルが強引に引き摺りながら離れて行った。
「くぅ!サラバだ、同士アーニャよ......っ!!」
嫌々と抵抗虚しくここから去って行ったアーニャに向けて、
ホノカが友の無念を心に受け止めそれを見送る。
「だが安心しろ、同士アーニャ!お前と我の託した魔法、
それを勇ましくも解き放つ主の姿を我が眼にて
しっかりと焼き付けておく!そしてそれをのち、お前に
タップリじっくりと語って聞かせてやろうぞっ!」
そしてホノカは後の事は任せろと言わん表情をして、
この場を去り行くアーニャに向かって親指をビシッと
突き上げた。
「はは......そ、それじゃ気を取り直して、ヒールの魔法
から試し撃ちと洒落込むとしますかっ!」
レンヤがホノカとアーニャのやり取りを苦笑顔で見た後、
二つの魔法の内...ヒールの魔法を試し撃ちするべく、
訓練場の中央にある試合場へとゆっくり歩いて行く。




