第二百八十五話・無事習得
「ほ、本当か、アーニャとその姉よっ!な、ならばそれを
頂戴しても良いか?た、頼むっ!我はあの白いのに負ける
わけにはいかんのだっ!」
闇魔法ダークネスを習得出来るギフト・スクロールを持って
いると聞くが否や、ホノカが目の色を変えた表情でそれを
くれと直訴する。
「ええ勿論良いですわよ。そもそもレンヤ様には何かしらの
お礼をしなければと思っておりましたし。では少々お待ち
ください。只今待って参りますので......」
「待て、我も一緒に行こうっ!我の手から主に手渡したい
からなっ!」
自分の手で手渡し、レンヤにめちゃくちゃ褒めてほしい
ホノカは、ダークネスのスクロールが置いてあるという
宝保管部屋に、ミナルと一緒に移動して行く。
「あ!待って、ホノカ様~!わたしも一緒に行くよ~~っ!」
そしてアーニャがそんなホノカ達の後を、慌てて追い掛けて
行く。
―――それから数十分後。
「くふふふ。お待たせしたな、主よっ!見るがよいぞっ!
これこそがダークネスの魔法を習得する事の叶う、ギフト・
スクロールだっ!さあ、遠慮なく受け取るのだっ!」
意気揚々と帰って来たホノカが、レンヤの近くにスタタと
駆けて行くと、ダークネスのギフト・スクロールをポンと
手渡した。
「おお!こ、これがダークネスを習得出来るギフト・スクロールか!」
ホノカから受け取った、ギフト・スクロールをレンヤは
キラキラ瞳でマジマジと眺める。
「良いアイテムをありがとね、アーニャちゃん♪」
「えへへ♪」
「―――はうっ!?」
レンヤは顔を下に向け、ホノカの隣にいたアーニャの頭を
優しく撫でる。
「ち、ちち、ちょっと、ま、待つのだ、我が主よぉっ!?
な、何上にアーニャだけを褒め称えるのだ!?わ、我は!?
わ、我も同じく褒め称えよっ!!」
お褒めの言葉を貰えなかったホノカが、今にも泣きそうな
表情でレンヤに抗議の言葉を投げる。
「お、落ち着けってホノカ。別にお前を無視した訳じゃ
ないんだ。ただ単に撫でる手を差し出しやすい場所に丁度
アーニャちゃんがいたからという話なだけなんだからさ!」
レンヤがそう言うと、今度はホノカの頭を優しく撫でる。
「....ぐす、ビックリさせるな、我が主よ。もうちょっとで
マジ泣きしそうになる所だったぞっ!」
ホノカが目をゴシゴシと擦り、少し不貞腐れた表情を見せる。
「スマンスマン。コホン!ではホノカの機嫌も良くなった
所で、早速魔法を習得してみようっか!」
レンヤは手に待っていた二つのギフト・スクロールを勢い
良くバッと開き、そして床に置いた。
「さぁ!ヒール&ダークネスよぉぉおっ!俺のステータスに
おいでませいっ!」
俺がそう唱えると同時に、目の前がパッと明るくなる。
「......どれどれ」
俺は早速とステータスを見る事の出来るアイテムで魔法を
習得したかどうかをチェックする。
――――――――――――
レンヤ・シロカワ
LV30
ジョブ【勇者】
HP【630/630】
MP【400/400】
力【A+】
防【B-】
素【B+】
魔【A+】
幸【C-】
≪ギフト≫
『瞬歩』...LV3
『気合い』...LV3
『採取察知』...LV4
『識別』...LV2
『フレイム・カッター』
『アイス・カッター』
『ダークネス』
『ヒール』
≪レアギフト≫
『怒髪天』LV...4
『アイテムボックス』
『超・成長』
『錬金』LV...4
『絶対ドロップ』LV...4
『ドラゴンオーラ』LV...1
≪状態耐性≫
毒【D】痺【D】石【D】
幻【D】魅【D】即【D】
―――――――――――
「よし、どうやら無事に二つとも習得したみたいだな!」
俺はユキとホノカ&アーニャちゃんに貰った二つの魔法...
ヒールとダークネスがステータスに習得されているのを
確認する。




