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第二百八十一話・羨望の対象


「おお、これは旨いな!」


「そうでしょう、レンヤ様!あ、こっちの肉料理も美味しいよ!はい、

どうぞ、レンヤ様!」


アーニャが次に食べてもらいたい肉料理にフォーク刺すと、それを

レンヤの口に持っていく。


「こ、こら、アーニャ。はしたないですよ!」


「いやだなぁ、ミナルお姉様ったら。これくらいの事、愛する殿方には

当たり前の行動ですわよ?」


「「ぶぅぅぅ!あ、愛する殿方!?」」


アーニャの発言に、ミナルとレンヤがビックリして吹き出す。


「あ、あの...レンヤ様。助けていただいた事には本当に感謝をしていますが、

愛する殿方とは、一体どういう事でしょうか?ま、まさか!アルティメット

ポーションを譲渡する代わりに、アーニャの操をっ!?!?」


恍惚なる笑みをこぼすアーニャを見て、能面の表情をしてミナルが

ギギギと音を立てて顔をレンヤに向けてくる。


「なぁ、操っ!?ち、ちょっと、ミナルお嬢様!?な、何を突然言い出すの

ですか!?誤解なきよう言っておきますが、別に疚しい条件なんて、決して

出してはいませんからねぇえっ!」


そんなミナルの顔に恐怖したレンヤは、慌て様の表情で首を左右に大きく

振って、ミナルの言葉を全力で否定する。


「......コホン!そ、それよりユキの奴、遅いなぁ?何をやっているんだ?」


俺は大きく咳払いをして話を切り替えると、ユキの事を思い出し口にする。


確か休憩部屋で俺が休眠を取ってからしばらく時間が過ぎた頃に、俺の

具合が回復したかどうか、それを確かめる為、ホノカとユキがまた勝手に

自分達でこっちに召喚して来たらしく、


それから二人が部屋で俺の様子を伺っていると、魔法部隊の連中が俺を

尋ねて来たらしい。


ここに尋ねて来た理由を魔法部隊の連中にホノカが聞くと、魔法擬人の

ホノカ達とまだまだお話がしたいと切望をされてしまったらしく、


その時の嘆願の圧が凄過ぎて断りずらかったのか、俺の具合が回復するまで

なら良いと、しょうがなくだが同意したらしい。


これはギルドでの魔法擬人化騒動の時にギルマスから聞いた話なんだが、


何でも魔法擬人とは一生涯の内に会えるかどうか、分からないくらいに出現

率が低く、だから魔法擬人魔法というのは、魔法を使う者に取って、生き神

で羨望の対象らしいのだ。


まあ考えたら、そりゃそうだろうと思った。


何せ、こいつらのフラグって、ドえらく低い確率のうえ、


更に最初の発動時にしか魔法擬人化は現れないらしいからなぁ。


そういう狭き条件なので、魔法擬人化を出現させてゲットした人物は、

この世界で数える程しかいないという話だ。


俺はそれを聞いて、


―――それって、ヤバくね!?


―――それって、目立ち過ぎるどころの話じゃなくね!?


...と、心底からゾッとしてしまい、顔色が真っ青に変わるのだった。


よ、よし!これからはなるべくこいつらの事は隠しておかなきゃ......と

思うんだが、


でも俺にはこいつらしか、魔法遠距離攻撃がないんだよなぁ。


それにこいつら、隠したくとも俺の意思なんて関係なく好き勝手に召喚して

きやがるから、隠しようがないのも事実。


「...ええい!やめだ、やめっ!ここであれこれ考えてもどうともならんし!」


ふう、仕方がない。


取り敢えず今まで通りに、ことなかれで乗り切るか。


「......ハァ」


「ど、どうしたのだ、主よ!?も、もしかしてまだ具合が回復して

いないのか?」


「それは大丈夫だ。ただちょっとな、お前達の事で悩んでいたら、思わず

溜め息が出ただけださ。なので気にしないでいいぞ♪」


俺はホノカの心配にそう返事を返す。


「い、いや!待て待て、主よ!?我の事で悩んで溜め息を吐いたなどと

言われて、それを気にしないでいいぞでは済ませない事案なのだがっ!?」


だがしかし、レンヤの返答に対し、ホノカは目を大きく見開いて驚き、

そしてそのあと、その表情を一気に強張らせながらオロオロとし始める。


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