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第二百五十五話・リサーナ・アジョッキンVSマッシュ将軍


「ええいっ!何をごちゃごちゃ言っておるかは知らんが、小娘!俺は貴様の

ような子どもだろうと誰であろうとも、守るべきものに剣先を向けて来おる

輩には、一切の容赦などはしないぞぉぉおっ!!」


『くらえぇぇい!三段斬りぃぃいぃぃいいっ!!』


マッシュ将軍は剣を身構えて腰を落とすと、ギフト技...三段斬りを発動させると、

上、下、そして中央と素早く斬りかかっていく。


「へぇ~中々お早い攻撃ではございませんかす♪ですが......ひょい、ひょい、

ひょいっと♪」


「な、なにぃぃぃいい!そ、そんな馬鹿なぁぁあっ!?コ、コンマ数秒単位の

連撃攻撃なんだぞっ!?そ、それを軽々と回避するとは!?くそおおぉっ!

な、ならば、この攻撃でどうだぁぁぁあぁあっ!!」


『ハァアアァァ!砕けるが良いわ、鉄斬けぇぇえええぇぇんっ!!』


マッシュ将軍が剣を上段に構え、ギフト技...鉄斬剣を発動させると、剣に

赤い気のオーラが放出させれていく。


そしてオーラを纏ったマッシュの剣が、リサーナ目掛けて轟音を唸られながら

振り下ろされた。


がしかし、


「ぐはわあぁぁあぁぁあぁあっ!?!?」


振り下ろした剣がリサーナに当たった瞬間、ガキィ―ンッという音と共に

マッシュ将軍の全身を凄まじい衝撃がビリビリと迸り、そしてその反動で

マッシュ将軍の剣がパキンと折れ、床にカランと転げ落ちた。


「な、なんだと...い、今のは俺の全身全霊による一撃だったんだぞ......!

だ、だというのに、キズをひとつ付けられないどころか、鋼で出来た剣が

木のように脆く折れてしまうだと......っ!?」


「ふふ、当たり前ですよ♪そんなナマクラでは、わたしの身体にはキズひとつ

付きやしませんよ~♪」


リサーナがニコッと微笑みを浮かべ、マッシュ将軍の剣が当たった箇所を

ポンポンと(はた)く。


「さて、マッシュさん......でしたかしら?これ以上の戦闘が無意味だと

お分かりになられたのでしたら、ここを通してもらっても宜しいでしょうか?

わたくし、急いでトーヴァスさんに聞かなければいけない用事があるので」


「そ、そうはいくかっ!け、剣が無くなったというのならば、この両の拳で

貴様を叩き潰すだけ――――ごぶっ!??」


「......すいませんね、マッシュさん。ちょっと力を込めさせて頂きました。

先程も申しましたけど、わたくしトーヴァスさんにいち早く会いたいんですよ。

では通りますねぇ♪」


「く、くそ......も、申し訳...ござい......ません、キサ...リ...さ......ぐふっ!」


降参しろと忠告してもそれを全く聞く耳持たないマッシュ将軍のみぞうちを

リサーナがドンと軽く叩き殴ると、強制的にマッシュ将軍を気絶させる。


「ふう~。こっちの問題は取り敢えず、あらかた片付きましたね。けれども、

こちらの問題はどうしましょうか?ルコール御姉様の直々の結界を打ち破るには

少々...いいえ、かなりの骨が折れそうですし......」


わたくしのパワーを最大にすれば、いけますか?


......いいえ、駄目ですね。


恐らくですが、壊そうと思えば壊せるとは思います。


ですがそれをやってしまったら、この城も巻き添えで一緒に崩壊させて

しまうでしょう。


「......もしそんな事にでもなろうものならば、ルコール御姉様から

キッツいお叱りを受けてしまうのは明白......」


ルコール御姉様のお仕置きだけは、絶っ対に受けたくありません!


あれは未だにトラウマなんですからっ!


「......だとすれば、どうしたら良――――ハッ!?」


こ、この気はっ!?


リサーナがルコールの結界を触りながら、これをどうやって破壊しようかと

あれこれ頭を悩ませていると、遠くの方から突如発してきた、見知った人物の

気を感知した。


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