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第二百四十八話・暗躍


「しかしこれはちと不味い事になったんじゃないか?倒されたザレード達から

我々の素性がバレてしまう可能性があるぞ?かといって、俺達が出張る訳には

いかないし......」


「くくく。それなら安心しろ......」


ニヤリと口角を上げた謎の集団のひとりが、懐から丸型ボタンスイッチの

ついたアイテムを取り出すと、丸型ボタンの上に指を置き、カチッとそれを

押し込む。


そして、


「くくく。これで我々に繋がる証拠は消え、素性を知るすべも消えたっ!」


その人物は口角を上げ、不適にニヤリと笑う。


「お、おい!そのアイテムは!?お、お前まさか、あやつらにその禁断アイテムを

仕込んでいやがったのか!?」


「もしもを考えて...な。あとは主犯のヴィレンとかいう小悪党が残ってはいるが、

まぁ、あいつはプライドの塊だからな。そうそう迂闊に我々の事を話すという

軽はずみな行動はしない筈だ!」


「でしょうねぇ♪もし私達と関与した事実が浮き彫り、バレようものなら、

王族から貴族から完全排除を食らってしまうのは確実でしょうしねぇ~♪」


「いや、それどころか、王族から恥を晒した者として、誰もに知られる事なく

静かに処分される可能性の方が高いだろうな!」


「まぁそんな事はどっちでもいいさ。どちらに転んだとて、物理な証拠は

もう完全に消したんだ。あいつやあの港町の連中の情報をいくら集めたとて、

我らに繋がりうる事なんぞ、決してなかろうて......くくく」


ヴィレンにつけていた魔族達の処分がもう済ませているので、自分達の

身元バレは絶対にないだろうと、謎の集団は自信余裕な表情でほくそ笑む。


「でもさぁ、せっかくフォーラム帝国を楽して手にできるチャンスだったのにぃ、

あの王族の小太り野郎め、マジで期待外れも良いところだったわよねぇ!」


「全くだな。あんな幼稚な馬鹿に期待してしまった、我々のミスだったわ!」


「......だがしかし、次を見ておれよ下等種族共っ!今度こそはあの大陸をっ!

フォーラム帝国をこの手にしてくれるからなぁぁあっ!」


「ふふ。ギガン王国や帝国グランディーネもねぇ♪」


「ガハハッハハ!始まりだぁあ!我らを差し置いて図々しくも世界を牛耳り

蔓延っていた無能で愚かなる下等種族の終焉への始まりだぁぁぁああっ!」


ヴィレン達を観察していた謎の集団が不適な笑いを上げる。


「よっしゃぁあっ!早速ではあるが、帝国グランディーネを手に入れるべく、

我は動かさせてもらうぞぉぉおっ!」


「え!グランディーネを?あ、あの厄介極まりない国を手に入れられる算段が

あるの、あんた!?」


「そいつの言うように、あの国は手強い実力者が多いぞ?更にあの国の王は

あの竜神族と知り合いとも聞く。そんな厄介な国を手に入れる良い作戦が

お前にはあるのか?」


「ふふ、まあな。俺の仕入れた情報ではよ、あの国のお姫様どもを乗せた船が

オークションのある大商国アルパーノに向かったらしいんだよ!」


「おお、そういう事か!そいつらを人質に取って盾とし、あの国を上手いこと

攻めようという企てなんだなっ!」


「それ、中々良い作戦じゃん!確かワタシの聞いた話じゃ~、あの国の王様って、

娘達に過剰なまでに激甘さんだって聞くしねぇ~♪」


グランディーネを攻める作戦、その内容を聞いた人物達が「なるほど!」と

いう表情でそれぞれがニヤリと笑う。


「でもさぁ、その作戦だったら別にあんたが直接動かなくても、あんたか

ワタシらの部下だけで十分こと足りるんじゃないの?」


「いや、お前達の言ったように、あの国は実力者が多いからな。姫さん達の

護衛にどんな強敵が待ち構えているか、正直分からん。だから下っ端クラスの

魔人族を刺客として送っても返り討ちにされる可能性が大きいだろう。

ならば、この作戦を確実に成功させる為には、この俺様が直々に赴くしかあるまい?」


「へぇ~脳筋の癖に深謀遠慮の思考じゃん?まぁいいわ。んじゃ、とりま、

あんたのその作戦成功率を上げる為、ワタシらはあんたのサポートを裏方で

バッチリしてあげちゃうから任せなさい♪」


「ふ、期待しているぞ!」


「あはは、嘘こけ~♪ワタシらのサポートなんぞ、ぜんぜぇ~ん期待なんて

してない癖にぃ~♪」


「くくく......」


そんな談笑を交わした後、謎の集団は次の作戦行動を行うべく、それぞれの

持ち場へと移動して行くのだった。


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