第二百三十八話・エネミー・スキャナー
「お、己ぇえ!小娘風情の分際でぇぇえっ!」
「よくも我々フォーラム帝国を愚弄し、馬鹿にしてくれたなっ!」
「イヤイヤ。あたしはどこかの国って言っただけで、別にフォーラム帝国とは
ひと言も言ってませんけど♪あれれ~?ひょっとしてそのどこかの国って~、
フォーラム帝国さんだったのかなぁ~♪」
沸点が低いのか、ルコールの挑発にいちいち乗ってしまう、自称フォーラム
帝国の連中は、額でひくひくさせていた青筋が今にもプチッと切れそうな
くらいに顔を真っ赤にさせながら反論をしてくるが、
当のルコールは相変わらずのおくびにもせずの態度にて、冷静沈着な口調と
相手をトコトン小馬鹿にする口調を入り混ぜて、更に挑発を続ける。
「き、貴様ぁぁああっ!わ、我らの国を尽く馬鹿にしよってぇぇええっ!」
「もう絶対に許してやらんぞっ!」
「覚悟しやがれ、小娘っ!そのいらん事を宣う口ごと、その首を今すぐ叩き
斬ってくれるわっ!」
淡々とした態度で自分達を論破してくるルコールに、これは口では勝てないと
感じたのか、自称フォーラム帝国の連中が、腰にさげていた剣をバッと引き抜くと、
ルコールに向けて怒りに震えながら身構える。
「ええ?我らの国?ありゃりゃ、それはおっかしいなぁ~?あそこで気絶して
いるアホはどうだか知らないけどさ。でもあんたとその横の二人、そして
そことそこにいる後方の二人はフォーラム帝国のもんじゃないよねぇ?」
「――な、な、ななっ!?
「き、貴様、何を血迷った事を言いやがるっ!?」
「ざ、戯れ言を言うなよ、小娘ぇぇえっ!」
「フォーラム帝国を愚弄するだけじゃ飽きたらず、この我々をも愚弄する
つもりかぁぁああっ!」
「どうやら一回死なねば、我々に逆らう事の愚かさに気づかないようだなっ!」
「イヤイヤ、そんな事を言われてもなぁ......」
ルコールは先頭で剣を身構えている、自称フォーラム帝国の兵士に目線を
スッと向けると、ギフト技...『エネミー・スキャナー』を発動させる。
――――――――――――
ザレード
LV30
ジョブ【魔人】
HP【800/800】
MP【760/760】
力【B+】
防【B】
素【C】
魔【A】
幸【D】
≪ギフト≫
『瞬歩』...LV1
『火炎弾』...LV2
『認識阻害』...LV5
『フレイム・ストーム』...LV3
≪レアギフト≫
『身体強化』LV...2
『翼』
≪状態耐性≫
毒【C】痺【B】石【C】
幻【C】魅【D】即【B】
―――――――――――
「そして次は、その隣にいるあんた......」
『エネミー・スキャナーッ!』
――――――――――――
ジラード
LV35
ジョブ【魔人】
HP【780/780】
MP【560/560】
力【A】
防【B】
素【C】
魔【D-】
幸【C+】
≪ギフト≫
『瞬歩』...LV2
『認識阻害』...LV5
『コールド・ファング』...LV3
『ファイア・ファング』...LV3
≪レアギフト≫
『身体強化』LV...2
『回復(少)』LV...2
≪状態耐性≫
毒【A】痺【A】石【A】
幻【C】魅【C】即【C】
―――――――――――
「...んでもって、そっちの隣のノッポ......」
『エネミー・スキャナーッ!』
――――――――――――
ズーラシ
LV32
ジョブ【魔人】
HP【640/640】
MP【700/700】
力【C】
防【B】
素【D】
魔【A-】
幸【D】
≪ギフト≫
『フレイム・カッター』...LV7
『アイス・カッター』...LV7
『ウインド・カッター』...LV5
『認識阻害』...LV5
≪レアギフト≫
『魔力強化』LV...3
『魔人の眼』LV...5
『翼』
≪状態耐性≫
毒【A】痺【B】石【C】
幻【C】魅【A】即【A】
―――――――――――
「そして次は、そこの後ろにいる二人を鑑定っと......」
ルコールは残った自称フォーラム帝国の二人にも、鑑定ギフト技、
エネミー・スキャナーを掛けていく。




