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第二百三十二話・港町ウィーク



話は現在に戻り、レンヤ一行は港町ウィークを目指して歩いていた。



それから更に数時間後。



「おおぉ~!ここが港町ウィークかあぁぁ~~っ!!」


リタイを出てから約数十時間をかけて、やっと最初の目的地である港町

ウィークに辿り着いたレンヤは、達成感で疲れなんぞはどこにいったと

言わんばかりの歓喜の声をあげていた。


「いや~流石は海に面した港街だな。潮の香りがいい感じだぜ~♪」


そしてレンヤは、鼻に入ってくる潮の香りを更に感じる為、息を大きく

スゥーと吸い込んでいると、


「あ、そうだ!知ってる、レンヤ?潮の香りってね、実はプランクトンの

死骸の匂いらしいよ♪」


「ぶううぅぅうう―――――っ!!」


ルコールのいらん雑学のせいで、俺は大きく吸い込んでいた息を思いっきり

吹き出してしまう。


「ケホ、ケホ...せ、せっかく、潮の香りを体感していたっていうのに、

下らない事で水を差すんじゃないっ!」


そしてルコールのせいで乱れた息を整えた後、俺はルコールの顔を

ジロリと睨んで怒り顔を見せる。


「あはは~、ゴメンゴメン♪ふと頭の中にその雑学がピコンッて浮かんで

きたから、ついついレンヤに教えてあげたくなってさぁ♪」


「余計なお世話だっ!」


悪びれもない顔でケラケラ笑ってくるルコールに、俺は目を見開いて

そう荒らげる。


「......ったく。で、船乗り場はどこにあるんだ?」


俺は気を取り直すと、隣の大陸に渡る為の船に乗るべく、船乗り場を

キョロキョロと見渡して探す。


「船乗り場?船乗り場だったら、あっちの方角の先に合ったと思うよ?

昔と一緒だったらの話だけどね?」


「あっちの方角か....。うん、確かに人の行き交いが多いな?」


俺はルコールの指差した方向に目を移し、船乗り場がありそうかを確認する。


そんな確認中、


「主、主!あの屋台、やたらと良い匂いを発していると思わないか!」


ホノカが俺の裾をちょんと摘まみ上げ、少し先に見える屋台を指差す。


「お、確かに良い匂いがするな?何だ、ホノカ。あれが食べたいのか?」


「い、いや、べ、別に食べたいとか、そのような事では決してないのだっ!

た、ただ、その...なんというか...よ、良い匂いがする、た、ただそう思った

だけであって..........!」


「ええ~おっかしいっすねぇ~♪そういう割には、あんたのお腹がさっきから

あれを食べたい~あれを食べたい~って、グーグー鳴っていませんかぁ~♪」


「う、煩い!黙れ、白いの!こ、これはお腹の音ではないっ!決して!

断じてっ!お、おお、お腹が鳴っているわけではないぞっ!!」


「はいはい。言い訳乙っすねぇ~♪」


「ぐぬぬ...白いのぉっ!そこに直れぃいっ!その首、叩き斬ってくれるわっ!」


「いやはや、中々面白い冗談を言うじゃないっすか~赤いの♪でもね、ボクの

首はあんた如きに斬られるほど、低レベルの首じゃないんっすけど......ねぇっ!」


倖のからかいに拳をブルブル震わせたホノカが炎の大剣を手に取って構えると、

それを見たユキは軽くホノカを窘めて小馬鹿にした後、背中にある氷の大剣を

ゆっくりと手に取ってサッと静かに身構える。


「だあ~~二人とも!そんな下らない事でいちいち怒るんじゃないっ!」


そんなお互いをバチバチに睨み合い、殺伐とした空気を出しまくっている

ホノカとユキの間にレンヤが慌てて割って入り、二人を争いを止める。


「あれれ~そんな下らない事?おっかしいなぁ~♪確かレンヤさんも~、

さっきあたしの事をその『下らない』事で怒っていませんでしたっけ~?」


それを見てルコールが、先程レンヤが怒ってきた事を対し、まだ根に持って

いるのか、ニマニマした笑顔を浮かべながら、小馬鹿にした口調でレンヤに

茶々を入れてくる。


「......うぐ、いちいち人の揚げ足を取って茶化すんじゃないのっ!」


そんなルコールに対して、レンヤがムッとした顔で煩いと軽く窘めてくる。


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