第二百二十三話・ルコール、紅蓮騎士団をボコる
「こ、この音は!?そこにランス様がいらっしゃるのか?」
東門に辿り着いていたグラーナが東門から鳴り響いてきた音に気づくと、
ランスと取り決めてた暗号...扉を開ける為の合図を実行するべく、
門扉を手の甲でトントンと叩いていく。
「は、反応がない............違うのか?」
しかし向こう側から合図を返す音が全く無く、グラーナはさっきのは
気のせいだったのかと首を傾げる。
―――叩いた門の向こう側。
「ん?この音は?それにこの気配......ほほう、いやはや結構な気質の
持ち主がいるじゃん♪どうやらこいつがネージュの言っていたSランクの
団長とやらかな?」
東門の向こうから感じる大きな気の気配に、ニヤリと口角を上げると、
『ドラゴン・カッタァァアッ!』
ルコールがビシッと両腕をクロスに構え、そして両腕を大きく左右に大きく
バッと拡げると、弧月状の波動が無数に発射され、東門を粉々に吹き飛ばす!
「ぐは!?な、何事だぁぁっ!?」
「な、なんだぁあ、いきなりっ!?」
「と、突然、と、と、扉が壊れたぞぉぉおっ!?」
いきなり粉々に吹き飛んだ門に、グラーナとその部下達が目を大きく見開いて
ビックリしている。
「ふぅ~ん、あんた達がネージュの言っていた、愚連隊とかいう連中だね?」
そんな驚きの最中にいる紅蓮騎士団達にルコールがゆっくりと歩いて行き、
そして立ちどまると、紅蓮騎士団達を値踏みする様にジロジロと見回す。
「き、貴様ァァ!誰が愚連隊だっ!我軍の名前は紅蓮騎士団だあぁっ!
紅蓮騎士団っ!!小娘の分際で、我々の誇り高き紅蓮騎士団を愚弄しや
がってぇぇえっ!その罪、身の程を以てわからせてや―――るぎゃ!!」
「ダ、ダルメェェェッ!?」
値踏みしてくるルコールにイラッときたのか、紅蓮騎士団のひとり...
ダルメが、ルコールに不用意にズカズカと近寄って行き、キッと睨んで
胸ぐらを掴もうとしたその瞬間、ダルメの脳天にルコールが思いっきり
かかと落としを炸裂させる。
そしてそのままの体勢で大きな音をバタンと響かせて地面に倒れ込むと、
目を白くして泡をブクブクと吹いて気絶してしまう。
「よ、よくも...よくもダルメをぉぉおっ!許さんぞぉぉおぉっ!
ダルメの仇はこのシアンが取ってくれるわぁあっ!!」
仲間の仇と言わんばかりに怒りを露にしている自分をシアンと呼んだ
騎士が腰に下げていた剣を抜いてルコールに突撃してくる!
「もうやかましいなぁ~。殺ろうと飛びかかってくるからその結果、
返り討ちにあっただけでしょうが?それなのに逆ギレするとは、
ホント大概だな......っと!」
「は、速い!?こ、この俺が捉えきれないだ―――――グエェエ!?」
ルコールはギフト技...『神速』を発動させ、シアンの数センチ前に一瞬で
移動すると、間を与えず、しならせた右手にてシアンを頬を力の限りに
ビンタした!
ビンタの反動でシアンはグルグルと身体を高速回転させながら、後方へと
ぶっ飛んで行き、後ろにあった巨木に叩きつけられ、ダルメと同じく
目を白くして泡をブクブクと吹いて気絶してしまう!
「く...こ、こいつ、小娘のくせに強いぞ!」
「小娘?そして強い?ハッ!?ま、まま、まさかこいつはぁあっ!?」
「ああ、間違いない。こいつがランス様のおっしゃられていた、俺達の
ターゲットのひとりである小娘じゃないのか!?」
「し、しかしその小娘がなんで俺達の前に堂々と!?」
自分達のターゲットであるルコールが、自ら目の前に現れやってくるとは
全く想像してなかった愚連騎士団は、意表をつかれ、困惑と動揺でざわついて
動きをとめてしまう。
「どうしたの、あんた達?そんなにボッと突っ立っている暇と時間はないと
思うんだけど?」
「――――ハギャ!」
「――――ヒギャ!」
「――――フギャ!」
「――――ヘギャ!」
「――――ホギャ!」
予想外の展開に困惑と動揺で隙だらけな紅蓮騎士団達を、ルコールが躊躇なく
ボコって次々と薙ぎ倒していく。




