第二百二話・リサーナ・ア・ジョッキン
「......竜人族。そういえば、リコット王女がこの世界を説明する時に言って
いたな。もし竜人族と出逢ってしまったら、穏便に事なきを得ろとか......」
「あ!はいはい。あたしも覚えている!それプラス、竜人族は規格外な
存在だから、決して怒らせないようにとか言っていたっけ?」
光太郎の呟きを聞き、芽々も手のひらをポンと叩き、リコット王女の言葉を
脳裏の中に思い出す。
「うふふふ♪さぁ~わたくしの事を竜人族と知り得ましたのでしたら、次から
わたくしに対しては、心から尊敬し、心から畏怖し、そして心からひれ伏しな
さい!良いですわねっ♪」
光太郎達の驚き戸惑う姿を見た謎の少女は、してやったりという満足表情で
ニカリと微笑む。
「......ねぇ、こ、光太郎君」
「ん?」
「あ、あの子の言う竜人族って発言、マジものだと思う?もしマジもの
だったら、あたし達の今の状況ってさ、かなり危機的状況で大ピンチなん
じゃない!?」
「か、かもしれないな......触らぬなんとやらに思いっきり関わってしまい、
その挙げ句、喧嘩を売ってしまった状況だしな......」
リコット王女の忠告を思い出した光太郎と芽々が、自分を竜人族と名乗る
謎の少女に対し、おくびな態度を見せていると、
「その判断をするには......まだちょっとばかり早いぞ、二人とも......。
あいつが本物の竜人族かどうか......今からそれをボクが確かめ......る!」
『エネミー・スキャナー!』
久美がギフト技...エネミー・スキャンを発動させて、謎の少女の
ステータスを覗き見る。
――――――――――
リサーナ・ア・ジョッキン
ジョブ【竜人族】
レベル37
HP【175/210】
MP【80/100】
攻【B】
防【B+】
素【C+】
魔【C】
幸【D+】
≪ギフト≫
『ブリザード・アイズ・ビーム』
『ブリザード・スピンキック』
『ブリザード・セメタリー』...LV8
『ドラゴン・クロー』
『ドラゴン・ブレス』...LV7
『アイス・ウォール』
『吹雪の舞』...LV8
『竜の威圧』
『竜闘気』...LV7
『神歩』...LV6
≪レアギフト≫
『ステータスアップ』
『水凍完全無効』
『白竜の加護』
『黒竜の加護』
≪状態耐性≫
毒【C】麻【C】石【C】
幻【C】魅【C】即【C】
――――――――――
「な、なんだ......と.........!?」
「あらあら?もしかして貴女、わたくしにエネミー・スキャンを
かけましたか?それでどうでした?わたくしのジョブに『竜人族』と
表示はされていましたかしら♪」
「ああ......た、確かにステータスに竜人族と表示されて.........いる」
謎の少女のステータスを覗き見、チェックをした結果、ジョブの欄に
竜人族と表示がされていた。
「うふふふ♪これでわたくしの言葉に、嘘偽りがないと証明がされたと
いう事ですね♪」
わたくしは御姉様と違い、自分の種族には自負と誇りを持っていますので、
種族を誤魔化したり隠し立てなんていたしませんから♪
「まぁでも、ステータスの強さやギフトの方は流石に隠蔽をしておかないと、
相手に恐れ戦かれてしまい、少々つまりせんので、御姉様同様の処置は
していますけどね!」
謎の少女が聞こえないくらいのか細い声でそう呟く。
そして、
「それでどうですか、勇者の皆様方?これで今度こそ、わたくしがあんな
ゴミみたいな魔人族等ではなく、迷うことなき竜人族という事を認識し、
そして納得をしてくださいましたよね?」
謎の少女が光太郎達の方に顔を向け、そう述べた後、ニコリと微笑む。




