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第百九十三話・眠気に襲われる前に


で、できた...


「ついに出来上がったぞぉぉぉぉぉ――――――っ!」


これぞ、薬草同士を重ねて、重ねて、重ね合わせたその先に存在する

究極のアイテム......


その名も!



【アルティメット・ポーション】


効果...パーティメンバーのHP、そして異常状態を完全回復させる。

それにプラス、欠損を治す事ができる。一分以内なら蘇生も可能。


※このアイテムは錬金術でしか作れない。

※このアイテムを錬金術の素材として使用する事はできない。

※このアイテムは最上級、且つ薬草の素材からでないと作成できない。



「ふ...ふふふ...凄い効果だよ、このアイテムさん!まさにアルティメットの

冠に相応しいぞぉぉおぉ!フハ、フハハハッ!!」


俺は隣の部屋に人がいない事を確認すると、雄叫びを上げる様に両拳を

天に突き上げて歓喜する。


ストックしていた薬草の素材とMPポーションの全てを使い果たして

しまったが、そのかいもあって至極で最高なるアイテムが作れたぜ!


「さて...早速カード化しておくか...」


うう、ぐぬぬ......い、いかんっ!?


「れ、錬金術に全集中を注いでしまったせいで、つ、疲れが...ドッと

せ、迫って...きた!?ぐうぅ...ぐうう......ね、眠い......」


神経を集中させ過ぎたせいか、身体が眠気モードに入ってしまい、

顔はウトウトと下に沈んでいき、瞼は少しずつ閉じかかっていく。


そして襲ってくる眠気に勝てず、レンヤの思考が途切れようとして

いたその時!


宿屋の外から何かのぶっ壊された爆音が響いてきて、それと同時に

レンヤのいる部屋の中が目映い閃光に一瞬だけ包まれる。


「うわわわあああっ?!!なな、なんだ、今の爆音と閃光はっ!?」


俺はビックリしながら窓を開けて外を見てみるが、しかしどこを見ても

別に変化は見当たらなかった。


「あ、あれ?おっかしいなぁ~?確かに爆音が聞こえ、閃光が走ったと

思ったんだがなぁ?」


う~ん。錬金術作業のし過ぎで、思考が相当疲れているのか?


もしかしたら夢とごちゃになったのかもしれん。


しかし丁度良い具合に目が覚めた。


もしここで眠りでもしようものなら、ルコールにこの大事な、大事な

アルティメットポーションを飲まれてしまう可能性が大きかったからな!


いいや、ルコール(あいつ)は絶っ対に飲むねっ!


断言できるねっ!!




「―――あれ、レンヤ?何を夜前に寝ちゃっているんだよ。おや?何だろう、

これ?めちゃくちゃ美味しそうじゃん!」


「さては自分ひとりだけでコッソリと頂くつもりだったな!ふふん、残念だな、

レンヤ君♪あたし見つかったのが運の尽きだよ♪」


「では、レンヤが起きる前に......いっただきまぁぁぁす♪ゴクゴクゴク...

プッハァァァッ!うめぇぇぇ~~~~♪」




「...ってな感じにねぇぇっ!だから、俺の思考よ、眠るな...。最後の力を...

最後の振り絞れやがれええぇぇぇ―――――いっ!!!」


俺は残った最後の気合いを燃焼させて、急ぎアルティメットポーションを

カード化していく。


「ふふ...こ、これで...よし。か、神様...このカード化した...ポーションを、

ル...ルコールが使えるってオチだけは......マジで勘弁して...下さい...ね、ガク!」


そして再び舞い降りた眠気に(いなざ)われながら、俺は神様に心の底からの嘆願を

祈願する。


その直後、俺の意識は真っ白に変わり、身体は糸のプツンと切れた人形の様に

床に向かってパタンと大きな音と共に倒れ込むのだった。




因みに後から聞いたのだが、カード化されたアイテムは、例え前の持ち(ルコール)でも

使えないとの事らしい。


「ふう。カード化が間に合って、本っ当に良かったぜっ!」


俺は復活した後、カード化したアルティメットポーションを眺めながら

心の底から安堵した表情でそう呟くのだった。







因みの追加情報。


俺の錬金術のレベルが合計で三つ上がりました。



『錬金術』...LV3


LV1・アイテムとアイテムを組み合わせて、新たなアイテムを

作り出す事ができる。

※この世界に存在しないアイテムは作成不可。


LV3・どういう仕組みで出来ているのか、効果、構造、味を

約八十パーセント程把握しているアイテムなら、作り出す事が

できる。但し把握出来ていない分は劣化する。

※この世界に存在しないアイテムは作成不可。


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