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第百九十二話・究極アイテム


「ま、まぁいい。あれこれと考えても、面倒くさいがなくなる

わけでもないし、ここは何も考えず、無我無心の精神にて作業工程を

淡々進めていった方が得策でいいかな......うん」


だってこれ以上、考えると頭がオーバーヒートして破裂しそうだもん。


本当はやめときたいけど、熟練度を上げると意気込んだばかりで

直ぐの頓挫はちょいと恥ずかしい。


......ってなわけで、やれるところまではやってみるか。


細かい事を考えながら作業をすると、マジで頭がおかしくなってきそう

だったので、取り敢えず、熟練度を上げる為と心に何度も聞かせ、

そんな思考は後回しにしておく事とした。


そして俺は頬をパンッと手のひらで叩いて神経と集中に気合いを入れ直すと、

床に置いていたMPポーシュンをグイッと一気に飲み干し、もう一個の素材、

光極草・改を錬金する準備に入った。



それから数十分後。



「ふう、やっと......やっとできた!では早速、こいつとさっきのやつを

組み合わてみますかねっと!」


俺は出来たての光極草・改と、先程作った光極草・改を左右それぞれに

置いた後、錬金術を発動させる。


『錬金術!発動っ!』


錬金術を発動すると、左右に置いた光極草・改が眩い光を放った後、

重なり合わさっていく。


そして眩い光が少しずつ消え去り、錬金したアイテムが朧気に見えてくる。


「うっし、完成したっと!さてはて、はてさて、結果はどう出るかな~♪」


錬金術の光が収まった後、俺は錬金されたアイテムを改めて見てみる。


「ふむ、ふむ......お、おおぉぉぉっお!?」


見た目が光極草・改とは、全然違う別物ものへと変わっているっ!


「............」


い、いや...別物っというか、完全に別物じゃね?


だってこれ、どこをどう見てもポーション系......だもん。


だって、ガラスっぽい入れ物に液体が入ってるもん。


何で今まで薬草系だったのに、急にポーション系に変わるのよ!?


それにこのガラスっぽいやつ、どこからきた!?


薬草同士を錬金していっただけで、どこの過程にもガラスの素材は

入ってないんですけど?


「れ、錬金術......中々に奥が深いっ!」


俺の頭では最早(もはや)、原理と真理をいくら考えても、全く理解できそうもない。


「と、取り敢えず、解らない事は横に置いておくとして、今はこいつの

効果の確認するかな?」



『鑑定っ!』



俺は錬金したガラスっぽい入れ物に入ったポーションっぽいアイテムに手を

パッとかざし、鑑定を発動させる。



【エリア・ポーション】


パーティメンバーのHPを60パーセント回復させる。



「......え!う、嘘だろ!?」


こんな立派な見た目で、光極草・改とたったの10パーセントしか

変わらない......だとっ!?


「くそ、見た目に騙されたぁぁぁああっ!!」


俺は期待外れの効果に、頭を床に向けてガクッと項垂れると、無念と

残念の込もった拳で何度も床をドンドンと叩く。


ぐぬぬ......どうする、俺?


正直これ以上錬金を続けたとしても、効果のパーセントが微妙に上がる

だけの可能性も否めない。


それに上級のアイテムの錬金なのに、熟練の上昇がそんなに変わんないし、

肝心のレベルもちっとも上がりやしないし...


加え、MPポーションの残り数も残りわずかだ。


それだったら、薬草の同士の錬金はここでいったん切り上げるとして、

新たに他の錬金を試した方がいいのか?


いいや、待てぇぇぇいっ!


ここまでやったんだぞっ!


なら、一体どこまで薬草の効果が上がるのか......


「俺はそれを確かめてみたいっ!」


素直にいうと、この後の錬金の結果がどうなるのか、めちゃくちゃ気に

なって仕方ないですっ!!


そうさ...薬草の錬金、その先の果てにある究極なる結果、その探究&追究を

してみたいじゃないですかぁぁぁぁ――――っ!!


「よし...やるか......っ!」


俺の中のこれ以上は面倒くさいという気持ちよりも、こだわり心が

勝ってしまう瞬間だった。


そして横に置いていたMPポーションをソッと手に取って口に持って

いくと、それを静かにゴクゴクと飲み干していく。




それから数時間が経った......




で、できた...


「ついに出来上がったぞぉぉぉぉぉ――――――っ!」


これぞ、薬草同士の先に存在する究極のアイテム......


その名も!



【アルティメット・ポーション】



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