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第百八十話・おそるおそると説得する


マジでそんなの御免被るぞっ!


最悪な未来が来る前に、急いであいつらをとめなければっ!!


「お、おい!き、キミ達、も、も、もちつけ!け、喧嘩はいかんぞぉ~!

うん、喧嘩はね!そ、そうここは喧嘩じゃなく...もうちょっと穏やかなる

話し合いで解決をだな――――」


「くくく。安心しろ、我が主。町に被害は出さん。何故ならこんな弱者、

一瞬で(ほふ)るからだっ!」


フレイが手を前にスッと出してレンヤの言葉を遮ると、したり顔でそう述べ、

レンヤを安堵させる。


「はん!それはこっちの台詞だしー!あんたこそ、ギッタンボロンだしーっ!」


そしてアイス・カッターの少女も、フレイの挑発言葉にそう返すと同時に、


「そういう事だから、おじさん!そこでボクの華麗なる戦いを瞬きしないで

シッカリちゃんと見ていなさいよねぇ!そして、ボクの戦いに感涙した

おじさんから、「俺の主に是非是非なって下さい!」...って、その口から

絶対言わせてやるっすからねぇっ!」


レンヤに向けてそう高らかに宣言した後、アイス・カッターの少女は手に

持っていた氷色の大きな剣を静かに身構える。


「はひぃいっ!?ヤヤ、ヤベェェェッ!こ、こいつは本当にヤバいぞ!?

あいつらの放つ闘気でギルド全体が悲鳴を上げていやがる!?は、早く!

早くあいつらの所に行って、喧嘩を止めてこいや、レンヤッ!リタイの町が

滅んで地図上から消えてしまう前にいぃぃっ!」


「お、お願いします、レンヤ様!ちゃちゃっと仲裁して来て下さいっ!」


「いやいや!二人とも俺に死ねってか!?町が軽く滅ぶとかいう力の攻めぎ

合いなんだぞ!そんな中に入って行き、只で済むわけがないだろうがっ!

ここから説得ならいざ知らず、今にも戦闘開始状態の拮抗する場所になんて、

死んでも行きたくないわ!」


「何を言うか!元々あいつらはお前の魔法だろうが!なら、身命を賭しても

やめさせてこいや!」


「うぐ...た、確かに俺の魔法何だろうけどさ、それはそれ、これはこれ。

俺だって命は大事なの!こんな事で散らせてたまるか!」


町を軽く滅ぼすかもとかいうフレイ達の力を知った俺に、喧嘩をとめてこいと

無茶な要求を迫るギルマスとサオリナさんに、俺は目を大きく見開いて絶対に

嫌だという意思表示を全力で見せつけて抵抗していると、


俺の横にいたルコールが、悪い顔をした表情でニヤリと口角を上げ、


「レンヤが行かないんだったら、あたしが代わりにあの二人を止めてきて

あげても良いけど?」


...と、述べた後、フレイ達の喧嘩をとめに入るべく、前に一歩踏み出す。


それを見た俺は、


「い、行かなくていい!お前は行かなくてもいいです!お前が行ったら、

恐らく、いいや確実にもっと酷い惨劇になるのは目に見えてくるからっ!」


慌てて右腕をルコールへとバッと伸ばし、させるかと言わんばかりに

ルコールの進行をストップさせる。


「くそ...やはり、俺が行くしかないか......」


そして俺はしょうがないと嘆息を吐き踏ん切りをつけると、フレイ達の

場所に向かっておそるおそる近づいて行く。


「ふ、二人とも落ち着け、落ち着くんだ!み、味方同士で争っても何も

残らないし、何も生み出さないぞっ!」


「ふ。間違えているぞ、主。こいつは味方でも仲間でもなし!」


「うぅ...た、確かにそうだけども......」


俺の説得に対し、フレイが正論を言ってくるので、思わず口がごもって

しまうと、


「え!?うう...ぅ、ボ、ボク...おじさんの仲間......だよね?」


アイス・カッターの少女が両の瞳をウルウルとさせ、上目遣いで俺の顔を

覗き込む様にジィィッと見つめてくる。


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