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第百七十五話・魔法擬人化の強さ


「フレイか...ふむ。何かいいぞ、その名前!主よ!今から我の事を

そう呼んでくれ!」


フレイム・カッターこと、フレイは、レンヤのつけた名前をいたく気に

入った様で、満面の笑みを浮かべながら、今後はそう名乗ると言ってくる。


「ほれ、見ろ!フレイは俺のつけた名前を気に入ってくれたみたいじゃんか!」


それを見た俺は、ルコールに向かって勝ったといわんばかりのドヤ顔になる。




「......さてと、この子の名前も無事に決まった事だし...フレイ、キミの試し

撃ち...でいいのか?それをやるぞっ!」


「了解した、我が主よ!いつでもドンッとくるがいいぞ!」


レンヤの号令にフレイが口角を上げてニヒルに笑うと、背中に背負っていた

炎色の大きな剣を手に持ち、標的を攻撃するべく戦闘体勢へと入った。


「ま、待ってくれ!ちょっと、待てくれぃいぃっ!ストップ!ストップを

してくれ、レンヤァァァッ!」


それを見たギルマスが、慌てた表情でレンヤとフレイの目の前に割って入り、

両手を大きくバタバタと振ながら、標的への攻撃に待ったをかけてくる。


「なんだよ、ギルマス?そんな慌てふためいて?」


「た、頼むからそいつの攻撃をやめてくれぇ!じゃないと、このグラウンドが、

いいや...グラウンドどころか、このギルドが全壊してしまうっ!」


ギルマスが両の手をパンッと力強く叩き合わせ、レンヤにフレイの試し撃ちを

やめてくれと懇願してくる。


「はあ!?ここが全壊する!?いやいや、いくらなんでもそいつは少し大袈裟が

過ぎるんじゃねぇのか、ギルマス?お前もさっき言っていたじゃねぇか、

フレイム・カッターは初級の魔法だってよ?」


「それは普通の通常のフレイム・カッターの話だっ!擬人化した魔法の

攻撃力はな、特級魔法とほぼ同格レベルなんだよっ!」


レンヤの疑問に対し、ギルマスが擬人化の力がどれくらいスゴいのか、

それを懸命な表情で手振りを合わせて説明する。


と、特級っ!?


えっと、特級っていったら、上級の上だったよな?


俺は前にルコールから聞いた、魔法のランクをふと思い出す。


な、なるほど...だったら、特級をここを撃つのは確かに少しヤバいか。


ギルドを全壊でもさせようものなら、他の冒険者達から怨みを買う事にも

なりかねん。


「わ、わかったよ、ギルマス。お前の言うように、試し撃ちはやめ―――」


「えぇ~!そんな事を言われても困るんですけどぉ~?使用料金はちゃあ~んと

払ったんだし~、とやかく文句を言われる筋合いはないって思うんですけど~?」


レンヤがギルマスの嘆願を聞き入れようとした瞬間、ルコールがレンヤの言葉を

遮り、意地悪な口調で、ギルマスの懇願を正論という名のいちゃもんで退けた。


「ぐぬぬ...そ、それは...わ、わかった、わかったよ!なら、お詫び金に使用料は

倍...いや三倍にして返す!それともうひとつの魔法の試し撃ちも金は取らねぇ!

だから、頼む!キャンセルを...キャンセルをしてくれぇぇぇっ!」


ルコールの正論(いちゃもん)に対しての妥協案をギルマスが全て言い終わると、その場に

勢いよく土下座をしてきた。


「だぁぁぁ!う、受けるから!お前の頼みを聞き入れるから、土下座はやめろ!」


ハゲマッチョの土下座は、何度見ても暑苦しい!


「ホ、ホントか!いや~助かったぜぇ♪」


嘆願を聞き入れてくれたレンヤに、ギルマスが顔をバッと向けると、

安堵からくる溢れんばかりのニカッとした笑顔を見せる。


「ちぇ、つまんないなぁ~。ギルドの全壊を見たかったのにぃ~っ!」


「お、お前...そら恐ろしい事をさらりと言うよなぁ......」


マジで残念がっているルコールの姿に、ギルマスが頬に汗を滲ませながら

呆れてしまう。


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