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第百七十三話・我、爆誕!


「ふう。お待たせしました、レンヤ様!これが試し撃ちの標的(まと)です!」


ギルマスに注文された四本の標的をサオリナがグラウンドの端に突き刺すと、

レンヤに準備オッケーと手を大きく振る。


「よっしゃ!ではまず、フレイム・カッターからいってみようかな!」


俺は早速、魔法の試し撃ちをするべく、両手を前にバッと突き出して

魔法を詠唱し始める。


「ちょっ!?待て、待てって!俺達を魔法に巻き込むつもりか!初級とは

いえ、結構威力があるんだぞ!と、とにかく、俺達が外に移動してからだ!

いいなっ!」


いきなり魔法を撃とうするレンヤに、ギルマスが大慌てでタンマをかけてきた。


そして軽く説教を終えた後、ギルマスはドタドタと足音を鳴らし、サオリナさんも

その後をパタパタと追いかけ、グラウンドの外へと移動して行く。


「うっし!もういつ撃っても大丈夫だぞ、レンヤ!」


「おう、わかった!では、改めて.........」



『いけぇぇぇっ!フレイム・カッタァァァッ!』



ギルマスとサオリナさんがグラウンドの外へ移動した事を確認した俺は、

再び魔法の試し撃ちをするべく両手を前にバッと突き出すと、

フレイム・カッターの魔法を詠唱して発動させる!


すると突き出した両手の前に燃え盛る音が響いてきて、真っ赤な炎が

ドンドン形成されていく。


「おお!手のひらの前に炎らしきものが出現してきたぞ!」


こ、これが魔法なんだな!


俺は自分で発動させた魔法に感動で打ち震えていると、目の前の炎は

真っ赤な球体へと変化した!



―――はへっ!?きゅ、球体っ!?



「な、なあ...ルコール、フレイム・カッターっていうくらいだからさ、

出現するのって炎の刃なんじゃねぇのか?」


「う、うん、レンヤの言う通りだよ。フレイム・カッターは弧状の炎を

撃ち出す魔法だからね......」


「こ、弧状の炎!?」


い、いやでも、これどこをどう見ても......球体だよねぇ?


これってどういう事?


「やっぱ、偽物だったんじゃねぇのか?」


困惑している俺に、ギルマスがもしかしての可能性を呟いてくる。


「い、いやしかしよ、ギルマス。ステータスには『フレイム・カッター』って、

ちゃんと表示されているんだぞ!?」


俺がこの予想外過ぎる展開にあたふたと困惑しているその間も、目の前に

出現した炎の球体はドンドン大きくなっていき、俺と同じくらいの

大きさまででかくなった瞬間、炎の球体は目映い光を放って辺り一帯を

真っ赤な色に変えていく。


そしてしばらく真っ赤な光を放った後、真っ赤な光は一瞬でパッと消えて

無くなった。


「は、はあああっ!?」


光っただけで消えただとっ!?


「な、なんだったんだよ、今のは?消えたって事は、魔法が不発したのか?

そ、それともギルマスの言うように、偽物を掴まされてしまったのかっ!」


魔法を発動させた筈なのに不発した魔法に、これはどういう事だと頭を傾げて

悩ませていると、


「偽物はヒドイぞ、主。我はそんじょそこらのフレイム・カッターなんぞより、

圧倒的に物凄いんだぞ!」


「――へ!?」


さっきほど消えた炎の球体の場所...


そこに真っ赤な瞳とポニーテールに纏めた深紅の長い髪をなびかせている、

自分と同じ大きさの剣を背中に装備した、低学年くらいの年であろう少女が

立っていた。


「な、なんだ、これ?」


マ、マジでどういう事?


魔法を発動させたら、何で少女が出てくんの!?


俺が更なる予想外過ぎる展開に、首を傾げて困惑していると、


「あ、あああぁぁぁ――――っ!?あああ、あれって、まさかぁぁぁっ!?

まま、魔法の...『魔法擬人化の召喚』じゃねぇかぁぁぁあっ!?」


ギルマスが目を大きく見開き、そう叫声を荒らげると、口をブルブルと

振るわせながら驚きで戦いていた。


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