表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
168/288

第百六十八話・ギフト・スクロール


「ど、どうしたのよ、レンヤ!?い、いきなり大きな声で訳のわからん事を

口走ちゃってさ!?」


レンヤの大きな声に、ルコールが目を点にしながら「大丈夫か、こいつ?」と

いう顔をして、レンヤに叫声を荒らげたその理由を問うと、


「訳のわからん事じゃない!俺は攻撃系の技や攻撃系の魔法を覚えたいんだよ!

切実なる願いなんだよぉぉぉおっ!!」


レンヤは先程と同じ叫声、同じポーズで、ルコールの問いに答えを返す。


「ふ~ん、攻撃系の技をねぇ~。でもそれだったら、既にレアギフト技...

『怒髪天』を覚えてるじゃないのさ?」


「た、確かに怒髪天は攻撃っぽいギフト技だけどよ。けどさ、怒髪天って

冷静に考えてみたら、ただ怒りで激おこしているだけの技じゃんかっ!

俺はね、こう...「食らえぃ!」...とか、「いけぇぇぇ!」...とか、

魂の乗った叫びのセリフを言いたいんだよっ!!」


ルコールの呆れ口調に対し、レンヤが自分の技...怒髪天は思い描く

攻撃ギフトとは何か違うと否定し、攻撃とはこうなんだと身振り手振りで

熱く熱くルコールに説明をしていく。


「やれやれ......」


ルコールは「あんな激レアギフトをいっぱい習得しているっていうのに、

本当レンヤはわがままだな!」という表情で呆れてしまう。


「だったら、あたしのあげた『竜の魔導書』で攻撃系の技を習得すれば

いいじゃないのさ?あんたのいう、男のロマンって技がいっぱい乗って

いたでしょうが?」


「ぐぬぬぬぬ...!お、俺だってなぁ、覚えられるものなら今すぐにでも

習得したいさ!けどよ、この竜の魔導書って、どの技もこの技も習得する為の

習得条件がめちゃくちゃ厳しいじゃんかっ!」


「それはレンヤが上位クラスの技を習得しようとするからでしょうがっ!

素直にLVの低い技を習得すればいいだけの話でしょう!」


「そうは言うけどさ、ルコールさんよ。せっかく竜の技を習得できるんだぞ?

だったらさ、低位技をあっさり習得するよりかは、頑張って上位の技を

習得してみたいじゃんかっ!」


「ハァ...ホント、ワガママな中年だな......」


ああ言えばこう言うレンヤに対し、ルコールが心底面倒くさそうに

溜め息を洩らす。


「いいじゃん、ワガママでさ!ロマンにワガママはつきものなんだよ!と、言う

わけで、攻撃系ギフトを習得する方法って、レベル習得以外に方法は何かないのか?」


「レベル習得以外でねぇ......まぁ、あるっちゃ、あるよ。とあるアイテムを

使用すればね!」


「マ、マジでか!そ、それでそのアイテムというのは、一体どんなやつなんだ!

た、頼む、教えてくれ...いいや、教えて下さい、ルコール様っ!」


ルコールの肯定の言葉を聞くと、レンヤが少し興奮気味の口調で身をバッと

乗り出して、それを何ぞやとばかりに聞いてくる。


「だあぁもうっ!気持ちは分かるけど、そんなに慌てるんじゃないのっ!」


「―――はぎゃっ!!?」


そんなレンヤの逸る気持ちを抑える様に、ルコールはレンヤの顔を強引に

鷲掴みにして黙らせた。


「では説明するね。コホン...アイテムの中にね【ギフト・スクロール】って

いう使用する事で技や魔法を習得する事のできる超レアアイテムがあるんだよ。

それを手に入れられれば、レンヤも攻撃魔法をきっと習得できる筈だよ!」


そしてルコールは改めて、技や魔法を習得できるというアイテムの説明を

レンヤにしていく。




「へぇ...そんなアイテムがあるんだ?」


「でもかなりレアアイテムだから、めったに売りには出されないけどね。

オークションでたまに見かけるくらいかな?」


「くう、そんなレアアイテムじゃ、気楽にゲットとはいかんか!く、無念!」


ルコールから告げらる残念宣告に、レンヤは両手、両膝を床につけて

ガクッと項垂れる。



――――――



「...というやり取りをしたじゃん?覚えている?」


「当然だろう!忘れないでかぁぁぁいっ!!」


「でね、ほら。あの赤い屋根の露天に並んでいる巻き物みたいなアイテムを

見てみなよ?」


「二つの巻き物?紙をグルグルって巻いて置いてある、あれの事か?

あのアイテムがどうしたんだよ?」


「あのアイテムがね、宿屋で話した【ギフト・スクロール】なんだよ!」


「―――へ!?」


ルコールから告げられる衝撃内容に、俺はアホみたいな顔でビックリしてしまう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ