第百六十七話・冒険者を狙う露店たち
オークションに出品していたルコールのゴ...コホン、ルコールから貰った
竜の素材が無事に落札され、その落札金をギルドから受け取った俺は、
いつもの様にクエストを受けて、ルコールと共に町の外へと出て行った。
それから数時間後。
俺とルコールはクエストを、無事に達成したクエストの報告をする為に
ギルドへと帰還する。
そしてクエスト報酬をミュミュから貰った後、空いたお腹を充たすべく、
少し駆け足にて宿屋の中にある食堂を求め、帰路を歩いていた。
「ふう...あれだけあっちこっち動き回ると、食欲の落ちるおっさんでも
流石にお腹の野郎がグーグーと鳴りっぱなしだな......」
俺はさっきから鳴りやまぬお腹に手を当てて、落ち着けと擦っていると、
「ああ!見て、見て、レンヤ!あの大広場に外からやって来た行商人や
商人達が、どうやら露店を開いてるみたいだよ♪」
ルコールが俺の背中をポンポンと叩いて、少し先に見える大広間を指差す。
商人達の開く露店か...なんか、レア物でもあるかな?
でも俺ってさ、物を見る目が全然ないんだよなぁ。
だからボッタを食らうのが目に見えてくる。
「なので、ここは行かないという方向で―――」
レンヤはルコールに、露店には行かないという断りを入れようとするが、
「ええ!それだったら、買わなきゃいいだけの事じゃん!とにかく見るだけは
タダなんだし、取り敢えず見に行くだけは行ってみようよ、ねぇってばぁ~♪」
「のわあ!?わ、わかった、わかったって!い、行く...行くから!だから
そんなに腕を引っ張るなって、オッサンの足元はおぼつかないんだからぁっ!」
「本当?よっしゃ!そうと決まったら、早速レツゴーだよ、レンヤ♪」
「だ、だから、そんなに引っ張るなって!こ、転ける、転けちゃうからぁぁっ!?」
ルコールから腕を力いっぱいに掴んで引っ張られると、俺は強引に露店の
立ち並ぶ大広場へと連れて行った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「へぇ~。こんな時間だっていうのに、まだ結構な数の露店が開いているんだな?」
「それは多分、冒険者達の帰路時刻に合わせて店を開いている露店が多いから
じゃないの?ほら、見てみなよ。商人ら、冒険者らの持っている有り金全部を
巻き上げるべく、目をギラギラさせて待ち構えているじゃん♪」
「おい、言い方!」
でもまぁ、ルコールの言う通りなんだろうな。
だって、目に見える殆どの露店には、武器や防具...それに素材っぽいや
回復や食い物などの消費アイテム...
そして戦闘中に使うだろう、アイテムっぽい物が目白押しに並んでいるもん。
「それでどこから見て回るんだ、ルコール?クエストで使う武器や防具、
アイテムなんかを中心に見て回るか?それとも、食べ物系の露店を見て―――」
俺がどの露店から見る回るんだと、ルコールに問おうとすると、
「嗚呼!?あ、あれはぁああっ!?」
突如、ルコールが大きな声を荒らげる。
「はぐ!ど、どうしたんだ、ルコール?い、いきなりそんな大声を上げて!?」
「ほ、ほら、あそこに見える露店を見てごらんよ、レンヤ!あの右側に見える
赤い色した屋根の露店だよっ!」
ルコールの大きな声にビックリしている俺に、少し興奮気味な口調のルコールが、
少し奥ばった場所に見える露店に向けて指を差す。
「あ、赤い色の...屋根......?はいはい、あの露店だな。だけどあの露店が
一体どうしたっていうんだ?」
俺はルコールの指の先......そこに見える露店に目線を移す。
「ほら覚えている?昨日の夜、宿屋でこんな内なる叫びをあんたしてたじゃん?」
「昨日の夜......?」
――――遡ること、昨日の夜の宿屋での出来事。
「うおおぉぉぉっ!攻撃系のギフトを覚えてぇぇぇぇぇぇっ!!」
「はひゃぃぃっ!?」
突如レンヤが拳をグッと握り締めて目を大きくカッと見開くと、今の不満なる
思いの丈を、真に迫る様な叫声にて荒らげる。




