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第百六十六話・オークション無事終了


「ぐぬぬぬ!ミュミュが(かぞ)えたと知ったら見もせずに...そんなに

俺の確認を疑っていやがんのかよ!」


「そりゃ、見た目と雰囲気が疑え全開だもん、あんたってさ♪」


満面の笑みでルコールがそう突っ込むと、


「お、お前たち...俺に対してホント、マジでヒドいよな......」


ギルマスの目尻にキラリと涙が光るのだった。


「くそ、後で覚えてろよ......。で、そいつをどうするんだ、レンヤ?」


「ん?どうするってどういう意味だ、ギルマス?」


気持ちを切り替え、ギルマスがレンヤに目線を向けると、主語を

抜かした訳のわからん事を言ってくるので、レンヤはハテナ顔で

首を傾げてしまう。


「その大量の金貨をどうするんだって意味だよ。持ち運びも大変だろうし、

ロクでもない連中に狙われる恐れもあるぞ?」


そんなハテナ顔のレンヤに、ギルマスは訊ねようとした事を改めて

聞き直す。


「ロクでもない?ああ、そのロクでもないっていう連中は幾度幾度と

俺にちょっかいをかけてくる、チンピラもどきの冒険者達の事かな?

冒険者達の最高責任者であらせられる、ギルドマスター様?」


「はぐ!?」


「なぁ、ギルドマスター様よ~。イケメン君の件といいよ~、もう一度

この台詞を吐かせてもらうが、お前んとこの冒険者の教育って、一体

どうなっているんだ?教育がなって無さ過ぎじゃねぇのか?」


俺はギルドにくる度々に、ニヤニヤと蔑んだ表情で絡んでくる冒険者達を

思い出し、ここぞとばかりの嫌味の込もった愚痴を、ジト目で睨む様にして

ギルマスにこぼす。


「うぐぐ...そ、その愚痴には、監督不行き届きで面目ないとしか言えねぇ...です」


すると、ギルマスがぐうの音も出ない表情へと変わり、申し訳なさそうに頭を

何度もペコペコと下げる。


「あたしは別にかかってきても何の問題もないんだけどねぇ。降りかかってくる

火の粉は全てボギッタンギッタンのボッコボコにしてやるだけだしねぇ~♪」


「ギッタンギッタンのボッコボコッ!?ちょっかいレベルくらいなら、なるべく

穏便に済ませてくれるとありがたいんだが。あ、あんな奴らでもよ、戦えなく

なっちまったら、魔物からの防御機能が麻痺してしまうからさ......」


指をワキワキと動かしながらニヤリと口角を上げるルコールに、ギルマスは

昨日のルコールの放つ容赦なき往復ビンタをしている姿を思い出し、慌て様で

手加減をしてくれと嘆願してくる。


「ま、そいつらにアイテムやお金を取られる心配はなんだがな。何せ俺には

これがあるからよ、アイテムやお金はこんな風に......っと!」


俺はそう述べると、金貨の入った皮袋に手をパッとかざす。


すると、金貨の入った皮袋が目の前から一瞬で消えて無くなった。


「あ、そうでしたね!レンヤ様って、アイテムボックス持ちでしたね!」


ミュミュが表情をハッと変えると、レンヤのレアギフト...アイテムボックスの

存在を思い出す。


「な、なにぃぃ!アイテムボックスだと!?じゃあ、ミュミュ達の言ってた事は

マジだったのかよ!?すげぇじゃねぇか、レンヤ!そんな希少なギフトを持ってる

なんてよぉ!」


レンヤが激レアギフト...アイテムボックスを持っている事に目を見開き驚きを

隠せないでいた。


「そっか...アイテムボックス持ちかぁ。なら心配はないな。アイテムボックスは

本人にしか放り込んだり、取り出したりはできない仕様だしな♪」


それから俺はオークションの落札金を受け取ったというサインを書くと、

そのサインと出品されていたルコールのゴ......コホン、竜の素材と一緒に

落札者のいるオークション会場へと送られた。


「ふう。以上でオークションのやり取りは大方終わりです。ご苦労様で

した、レンヤ様!」


「いやいや。そちらこそ、ご苦労様だよミュミュ。おかげ様で懐がかなり

潤っちゃったよ♪」


ミュミュがニコッとした笑顔に、初めてのオークションで気の張った緊張が

落ちていく。


そしてその次の日。


俺のギルドカードのオークション評価ランクには『C』と記載されていた。


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