表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
162/288

第百六十二話・オークションには上限金額がある


「ハァ...お前、またそれを食らっているのか?本当に懲りねぇ奴だな......」


二階にある部屋から苦笑と共に現れたハゲマッチョこと、ギルマスが

ルコールに顔を鷲掴みにされ、生死を彷徨っているレンヤを見つけ、

軽く嘆息を吐きながら、心底呆れ返ってしまう。


「あ。ギルマスじゃないですか?どうですか?ランカさんの始末書は

もう書き終えました?」


「ああ。ランカの件は何とか纏め終わったよ。後はあの馬鹿どもの

やっちまった不始末の内容を纏め上げ、その報告書をギガン城に送る

だけだ!」


ミュミュの問いに、少しやつれ顔のギルマスがヨロヨロとしながらも、

カラ元気のサムズアップを見せる。


「ふう。あの馬鹿どものやった犯罪内容には、酒を飲んでいないって

いうのに、ホント頭がズキズキと痛くなってくるぜ......!」


そしてギルマスは、残りの問題...青年ズキン三人組による不始末をどう書き

上げてギガン城に報告するべきか、その事にギルマスは頭がクラクラする程

悩ませてしまう。


ギルマスとミュミュがそんな談笑をしている中、


「いてててて......こ、今回こそマジで...し、死ぬかと思った......!」


ルコールのアイアンクローからやっと解放されたレンヤは、顔の回りに

ついた指の締め跡を「痛みよ、飛んでいけぇいっ!」と言わんばかりに

高速で擦っている。


「ったく...そう思うのなら、今度こそ反省しろや。お、そうそう。所で

レンヤ。オークションの結果はミュミュの奴からもう聞いたか?」


「ああ、さっき聞いたよ」


ギルマスからの問いに、俺はそう答える。


「だけど、結果が出るのが少し早くないか?確か三日ほどかかるとか

言っていたような気がするんだが?」


「それはな、オークションには上限金額設定っていうのがあるんだよ!」


「上限金額設定?競り合う金額に上限があるって事か?」


「ああ。金額の上限に切りをつけねぇと金持ち貴族や商人どもの独壇場と

なってしまうからな!因みにその上限は公表はさせていない。されていたら、

即その上限金額をぶっこんできやがるだろうからな。そうそう。上限を越えた

金額の分もちゃんと落札金額に加わるぞ。上限金額設定が金貨千枚だとすると、

その上限額を越え、最終落札が金貨千五百枚で終わった場合、その金貨千五百枚が

落札の最終金額となるという寸法だ!」


「へぇ~なるほどねぇ。それなら金持ち関係なく、いい感じの駆け引きで争う事が

できるな!金持ちというのは意外にケチらしいし、上限が金貨千枚かもしれないと

いうのに、五千枚とか一万枚とか、下手な駆け引きをして要らぬ過剰金なんて

払いたくはないだろうからな!」


「ま、そういう事だ!......コホン!では、レンヤ。今からオークション落札後の

説明を簡潔だがさせてもらうぜ!」


ギルマスが咳を軽く吐いた後、近くにある椅子にドンと大きく腰を据えると、

オークション落札後に行う説明を始める。




1・アイテムを落札した相手は、オークション運営にその落札金額を

支払った後、アイテムを出品したギルドにその落札金を送る。


2・落札金をギルドの担当がチェックして、落札金額の金額がちゃんと

一致していると確認できたら、出品者へその落札金を手渡す。


3・無事に落札金を受け取った後、その受け取りましたというサインを

書いた紙と共に、出品したアイテムをオークション運営に送る。


4・落札した金額や出品したアイテムの最終チェックに一日かかるので、

それ実行するには次の日となる。



「......以上が、オークション落札後にするべく行動だが、大まかには

こんなものかな?どうだ、レンヤ?内容は理解できたか?」


「大体...な。明日俺がオークションの落札金を運営から受け取った後、

受け取ったというサインを書き、それをアイテムと一緒にオークションで

落札した相手の待つ、運営に送る...この運びでいいんだよな?」


「おう、そんな感じでオッケーだ♪どうやら理解できているようだな!」


レンヤが内容をあ把握できている事を確認したギルマスは、白い歯をキラッと

光らせ、ニカッと笑う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ