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第百五十六話・マ、マジでか!?


「ほほう、あたしを奴隷に......ねぇ♪」


ギルマス達の会話を聞いて、ルコールは冷淡な表情をこぼし、ニヤリと

口角を吊り上げる。


「はぐう!?ちち、ちょっ!?ななな、なんだ!?こ、このルコールから

グサグサと迸ってくる、と、とてつもない殺気はあぁぁぁあっ!?」


「......そりゃ、殺るつもりだからだろう?」


「はあぁあ!や、殺るつもり!?殺るつもりって、なんだ!?だ、誰をだ!?

まま、まさか、ランスをかっ!?いやいやいや!流石にそいつはないよな!?

あ、相手はあの上位に君臨する貴族一家だぞ!?確かにムカつく野郎では

あるものの、だがそんな事してみろ、横で繋がっている他の貴族の連中も

全部纏めて敵に回っちまうんだぞっ!?」


「さっきも言ったじゃん?こいつな、そんな人族の常識や(しがらみ)なんてもん、

一切合切通じないってよ......」


ルコールの奴、マジトーンで注意をしないと、手加減しようとしないからなぁ。


ホント、あの王家の母子の件では苦労したもん。


「じゃ、じゃあ、何か?こいつ本気で言ってるのかっ!?ほ、本気でこいつ、

ランスの野郎を殺ろうとしているのかっ!?」


「ああ、百パー殺ると思うぞ。来るもの来るもの全てを.....な」


ギルマスが驚愕な顔をして俺の顔を見てくるので、俺はひと言をそう呟いた後、

首を静かに小さく縦へと振る。


「――マ、マジでか!?」


う、嘘だろ!?


確かに心のどこかでレンヤが語ったルコールの危なさを、まだ認めて

いなかったがよ、


しかしこいつら......アンナリッタとネージュの懐柔といい、このレンヤの

真面目な顔といい、


そしてさっきから全く止まらない、緊張感と恐怖感と威圧感の入り混じった、

この例えようのない感情にて未だ震える身体.........。



―――こ、これはホントにマズイんじゃね!?



ドンパチやられたら、色々と終わっちゃうんじゃね!?



し、しかしそれをとめたくても、ルコールもランスも和解なんて

妥協に絶対乗ってくるわけないじゃんっ!?



は、はひぃいぃぃいぃぃ――――――っ!



どど、どうすんだよ、これえぇぇえぇぇぇ――――っっ!?



ギルマスが顔色が真っ青へと染まっていき、絶望の叫声を心の中で大きく

荒らげていると...


「うふふ!そんな心配ご無用ですよ、ルコール姉さんっ!あいつにその様な

愚かな行為なんぞ、決してやらせはしませんからっ!」


「そうですわ。ランスの訴え如き、ルコールお姉様の手を煩わらせるまでも

なく、全てをもみ消してさしあげますわ!それにもし、それでもランスが

報復に来るようでしたら、わたくしとアンナの全力を以て、それを排除して

やりますからっ!」


ネージュがルコールにドヤ顔でサムズアップをし、そしてアンナリッタは

任せろと言わんばかりのしたり顔をルコールに見せる。


「うおおおおっ!マ、マジでかぁあっ!マジで本当に何とかしてくれるのか、

ネージュゥゥゥッ!アンナリッタァァァッ!!」


「のうわあぁぁっ!?な、なんだ、いきなり!?や、やめろ、ギルマスっ!

厳つい顔で破顔の笑顔を見せてくるんじゃねぇ~っ!そ、それ以上あたいに

近寄ってくんな!シッシッ!」


「た、ただでさえ、顔面凶器のお顔をしていらっしゃるというのに、

そのような気持ちの悪い笑顔を足させると、マジで吐き気をもようして

気絶してしまいそうになりますわっ!.........うぐぅ!」


抱きつく勢いでネージュとアンナリッタに接近し、喜びを露にする

ギルマスだったが、


心の底から嫌そうな顔をしてくるネージュとアンナリッタから、

あっち行けというジェスチャーをされる。


「うぐ......お、お前ら、相変わらず、ズケズケとものを言うなよ......。

だ、だがしかしぃぃいっ!今回は感謝の念の方がずっと大きいから特別に

許してやるけどなぁっ♪」


ネージュとアンナリッタからへこむレベルで貶され、喜び勇んだ気持ちが

落ちそうになるギルマスだったが、それでもひと筋の救済の道が生まれた事の

方が大きく、二人には感謝の意を示す。


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