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第百四十九話・勇者の噂話し


「それにしてもレンヤさんってば、とっても礼儀正しいですねぇ~。

そこのギルマスさんの知り合いとは到底思えないんですけど?」


粗暴さの目立つギルマスとレンヤの紳士的な態度を見比べ、そのあまりな

違いにビックリしているシルビアに、


「おい、ちょっと待てこら、シルビア!そりゃどういう意味だ、どういう!」


ギルマスが目を細め、ジト目でジロリとシルビアを睨む。


「それとレンヤッ!お前さっき、俺の事をハッピーって呼びやがったなっ!」


「あはは。何を仰るんですか、ハッピーさん。せっかくあなたのお名前が

わかったのですよ?でしたら、お名前でお呼びするのがあなたの部下である

私の立場として、はたまた親友として、至極当然な発言だと思うのですよ!」


「はひぃぃいいぃ!やや、やめろやぁぁあぁ~!お、お前の敬語を聞くと

身体中が鳥肌があぁぁああっ!?」


レンヤの敬語にギルマスが、気持ち悪いと言わんばかりに身体をブルブルと

震わせる。


「だ、大体よ!さっきまであれだけタメ口を吐いていた癖に、何で急に

敬語を―――だああぁぁぁあっ!わ、わかったぞぉおぉっ!?さては貴様!

オリビアとシルビアをダシに使って、俺の事をからかおうって腹だなっ!」


はい。その通りです。


...と、心の中ではそう即答する。


が、


「ふふ♪イヤですね、ハッピーさん。そのような野蛮でお戯れの発言を

なさっては。そんな事ではギルドマスターとしての威厳と風格が無く

なってしまいますよ♪」


「はぁぁあひぃぃいいぃぃ!マ、マジでやめてくれええぇぇぇえぇぇっ!!」


俺は変わらずの爽やかな表情と爽やか口調にてギルマスと会話を続けると、

ギルマスが悲鳴を荒らげながら、心からの懇願をしてくる。


さて、ギルマスのからかいはここまでにしておくか。


「...............しかし」


ふむふむ。なるほど、なるほど。どうやらこの二人がギルマスの話していた

俺好みのパイィィィンな子のようだな。


まぁ確かに女将さんも美人でキレイではあるんですが、正直ルコールとあんまり

代わり映えのないスレンダーさんだからなぁ。


おのれ、ハゲ野郎!


よくも俺を騙しやがったなあぁぁぁあぁっ!


後でその頭、ピカピカに光輝くまで徹底的に磨きまくってやるからなぁぁあっ!!


...と、愚痴ってしまったけど、


ホント許してね、ギルマスさん。


いやさ、ハッピーさん。


このオリビアとシルビアのお二方...


俺好みのナイスなおっぱいですっ!


マジで俺好みのナイスなおっぱいですっ!!


必要な事なので、二回繰り返して言っちゃいましたっ!!!


俺の中でギルマスの株が急上昇していくと、心の底からの絶賛と称賛を

ギルマスにおくっていたその時、


「――あ、そうそう。そう言えばさ、ギルマスさん。あの噂はもう耳にした?」


オリビアさんが町の中で広まっているという、とある噂の事をギルマスに

知っているかと問うてくる。


「はあ?あの噂?あの噂ってなんだよ?主語を外して言されてもわかんねぇよ。

もっと詳しく話せ!」


しかしオリビアの言葉だけではその意味が全く理解ができず、ギルマスは

ハテナ顔で首を傾げながら、再度シルビアにその噂とやらを聞き直す。


「おっと、ごめんなさい。ほら、あれですよ、あの噂。勇者様召喚の噂ですよ!」


聞き直しを受けたオリビアは、改めて聞きたかった疑問をギルマスに問う。


「ああ、ハイハイ。その噂な。ギガン城が魔王に対抗する為、勇者様を

異世界から召喚したっていう?」




「―――――ぶぅぅうぅぅうううううぅっっ!!?」




俺は勇者召喚と聞こえてきた瞬間、口に含んでいたお酒を盛大に

吹き出してしまう。


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