第百四十六話・こいつ、魔王より強いんじゃね!?
「ぶぅぅうぅぅ―――っ!ララ、ランクSSS級の実力だとぉぉぉぉっ!?」
神妙な面持ちで語った俺の言葉を聞いたギルマスは、あまりの衝撃事実に
喫驚し、思いっきり吹き出してしまう。
「そりゃまあ。そんなリアクションになるわな......」
俺もあいつのステータスを知った時は、ビックリし過ぎてで開いた口が
閉じなかったもん。
因みにあの時、あいつに見せてもらったステータスはこんな感じだった。
――――――――――
ルコール・ア・ジョッキン
ジョブ【????】(竜戦士)
LV4100(41)
HP【250000/250000】(250/250)
MP【122000/122000】(122/122)
攻【SSSS】(A)
防【SSS+】(B+)
素【SS】(C)
魔【SSS】(B)
幸【SS】(C)
≪ギフト≫
『ドラゴン・クロー』
『ドラゴン・ソニック』
『ドラゴン・ファイア』
『ドラゴン・ファング』
『ドラグニック・スマッシュ』
『ドラゴン・アイズ・レーザー』
『竜の雄叫び』
『竜の威圧』
『竜闘気』LV...MAX
『神歩』LV...MAX
★12345→
≪レアギフト≫
『ステータス上昇』
『超直感』
★『観察眼』
★『オール吸収』
★『超再生』
『白竜の加護』
『黒竜の加護』
★『古代竜の加護』
★『竜神王の加護』
★『????』
★123→
≪状態耐性≫
★オール無効
(毒【C】麻【C】石【C】)
(幻【C】魅【C】即【C】)
―――――――――
ホント、なんなのよ!
このデタラメ規格外なステータスは!?
それに、攻【SSSS】って、なによ!?
こういうのって、普通SSSが最高じゃないの?
ギフトもギフトで、どれもこれもスゴそうな技ばっかだしさっ!
驚きと羨ましい気持ちを抑えつつも、再びルコールのステータス欄を見渡して
いると、『????』という表示が「これなんだろう?」と気になり、それを
ルコールに問うのだが「内緒♪」と言われてしまった。
オープンなあいつが隠し事だなんて、何かとてつもなく恐いんですけど!?
それとは別に、ルコールのステータスでもう二つほど気になったものがあり、
その内のひとつ...ギフト下にある矢印はなんだと、それをルコールに訊ねて
みると、
ステータス一覧には十個のギフトしか表示をされず、次の数字をクリックを
する度に新たな十個の技が表示されるとの事らしい。
矢印の横には、五つまでの数字が表示されている。
...という事はつまり、ルコールさんってば、五十個近い技を持っているの!?
そしてもう一つの気になったもの...耐性欄とギフト欄にある『オールシリーズ』
って何?...と、ルコールに訊ねると、オール無効は耐性を全て無効にし、
オール吸収は魔法を吸収してMPへ変換できるとのこと。
なに、そ、その壊れ効果!?
う、羨ましいぃぃいぃぃ―――っ!!
俺のなんて...俺なんてなあぁっ!
勇者だっていうのに、平均以下のステータスと耐性なんだぞぉぉおっ!!
しっかし、こいつのステータスを改めて見てみると、
うん。
「どう見ても魔王よりこいつの方が強いんじゃねっ!?」
そうそう、因みに本当のステータスを見せると、相手から畏怖されて行動が
しにくいらしく、普段は偽装を施しており、数値やランクの横にあるカッコ内が
人に見えているステータスらしい。
それとギフトの前についている星マークは、最上位の魔法じゃないと見る事は
不可能で、オール無効もオール吸収も星つきなので通常のステータスチェックでは
それを識別する事は出来ず、通常はカッコ内で表示されるとのこと。
こいつのステータスやギフトの説明を一通り聞き終わった後、俺は素直にこう思った。
ルコールと出会った時、思いっきり下手に出ていて、本当に...
本当に良かったぁあぁぁ――――――っ!!
いや~あの時の俺、マジでグッジョォォオォブッ!!!
...と。




