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第百四十五話・ルコールの実力は?


「だからよ、もしもあいつらに手なんて出してようものなら、お前の身が

アブねぇなと思ってよ。で、改めてもう一度問うが、あいつらに手を

出して...いないんだよな?」


「ああ。あいつらに口は出したが手は出してはいない。あいつらの攻撃は、

取り敢えず全部避けていたしな」


ギルマスの問いに、俺はあの時の出来事と状況の記憶をもう一度真剣に

思い出し、それをギルマスに答える。


「そ、そっか!あいつらには手を出していないんだな!それなら良かったぜ!」


俺の答えを聞いて安堵したのか、ギルマスは心からホッとした表情で胸を撫で

下ろしていた。


だが、


「......俺はな」


そんな安堵しているギルマスに、俺は水をさすような言葉を付け加える。


「ち、ちょっ!?お、俺はなって......ハッ!まま、まさかっ!?」


「うん。ルコールさんが思いっきり、手を出しましたね。それはそれは

目を塞ぎたくなるような、とても悲惨でむごくて無慈悲なレベルで

徹底的に......ね!」


「ギャアアァァァァァ―――――ッ!!」


正直、適当な事を言って誤魔化してもよかったのだが、どうせいつかは

バレる事情だろう。


なので、


俺は包み隠さずに宿屋で起こった出来事の全てをギルマスに話すと、

ギルマスがこの世の終わりが来たといわんばかりに頭を抱えこんで

声が枯れそうな叫声を荒らげる。


「あ。因みに、イケメン君は顔が二倍くらいに膨れ上がってたし、魔法使いの

八重歯嬢ちゃんも同じく、顔をボコボコにされたうえ、顎も砕けてました!」


「イヤアアァァァッ!俺の首が飛んじまうぅぅぅぅぅぅぅっ!!」


俺の告げる更なる追加情報に、ギルマスは完全に酔いが醒め、そしてドンドン

絶望に満ちた表情へと変わっていき頭を抱えると、先程よりも喉が枯れそうな

叫声を荒らげてしまう。


「いや...ギルマス。お前はそんなクビ(くだらないこと)を心配するよりも、ルコールの

方を心配しろ!」


俺の目の前で悶絶しながら(のたま)い、我を忘れているギルマスに対し、ジト目の

表情で軽く注意をすると、


「そ、そうだった!す、すまねぇ...つい、本音がだだ漏れてしまった!お前が

言う様にもしそうなったら、ルコールの身に危険が及んじまうもんなっ!」


ギルマスは自分の本分である...部下を守るというギルドマスターのやるべき事を

思い出して、レンヤに申し訳なさそうに謝罪をする。


だがしかし、俺の言いたかった注意はその事ではないので、俺は改めて

ギルマスに、


「違う、違う、そうじゃない!俺が言いたかったのは、もしルコールに

報復なんて行為をしてみろ!多分...いや、確実にこのリタイの町は地図上から

完全に消え去ってしまうぞ!」


忠告したかった事を伝える。


「はあ?ち、地図上からリタイの町が消え去る?そ、そりゃ、どういう意味だよ?」


ギルマスは俺の言っている事の意味が全く理解できず、ハテナ顔をして首を傾げて

いるので、俺は「どういう意味だもへったくれもない。リタイ(ここ)でルコールが

暴れたらそうなるって意味だ!」と真面目なトーンでギルマスに答えを返す。


「おいおい、いくらなんてもそれは大袈裟過ぎだろ。冗談が過ぎて全く笑えねぇぞ!」


「............」


ギルマスがニガ笑いをこぼして、んな馬鹿なという顔をしてくるが、レンヤは

真面目な面持ちを崩さず、ギルマスの顔を黙って見据える。


「え!?マ、マジ......なの?」


「ああ...マジなのだ!滅茶苦茶マジなのだよっ!詳しい詳細は話せないけど、

お前にルコールの強さをわかり易く例えるならば、あいつの強さは恐らく

冒険者ランクSSS級...。それと同等レベルの実力だぞ!」


真面目な面持ちで語るその内容にギルマスが驚き顔で、再度レンヤに確認を

してくるので、レンヤはギルマスにルコールの強さを例え話で説明する。


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