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第百三十八話・心配するな、俺の奢りだ


「ちょ、ギルマス!へ、変な勘繰りをしている所を申し訳ないんだが、

別に俺とルコールはそんな仲じゃないからな!ち、違うからなっ!」


ど偉い誤解をして豪快に笑っているギルマスに、俺は目を大きく見開いて

叫声を上げて、それは勘違いだと否定をするのが、


「はいはい、わかってる、わかってるって♪お前とルコールは何でも

ありませんよ、うん♪」


ギルマスは俺が言い訳をしていると思ったのか、未だにニヤニヤと

腹の立つ顔をして俺の事を見てくる。


「だあぁあ、もう!その顔、絶っ対わかっていないだろう!俺はな、こう~

パイィィインとした女性が好みなんだよ!パイィィィインとしたなっ!」


そんなギルマスに対し、俺は大袈裟に両手を自分の胸の前にバッと付けると、

それを思いっきりドンッと前に何度か突き出し、自分の好みである女性の

ジェスチャーをして見せて、ギルマスの勘違いを正す。


「まぁまぁ。落ち着けって、レンヤ!そうムキになるなよ。そこまで

言うなら、そういう事にしておいてやるからさ!ガハハハッ!」


「だ~か~ら~!人の話をちゃんと聞きやが―――」


「――だったら、丁度良かったぜ!」


脚色を入れて少し大袈裟に説明をしたというのに、俺の言葉をまったく

聞きやしない、目の前のギルマス(ハゲ)に文句を言いかけたその瞬間、

ギルマスがそれを遮るように、


「そういう女性が好みだっていうなら、今から行く俺の行きつけには、

そのお前の好みだっていう、パイィィィィンな女性がいるからよ~♪」


...と、口角をニカッと上げたドヤ顔でそう述べてくる。


「マ、マジかっ!?マジでバイィィィイィイン.........なのかっ!?」


ギルマスの見せる自信満々な表情に、俺は少し興奮気味の口調で、

先程見せたジェスチャーをギルマスにもう一度やって見せ、

それを改めて確認すると、


「おうよ!マジでパィィイィィイン......だぜぃっ!!」


ギルマスも俺と同じジェスチャーを返した後、再びサムズアップを

ビシッと突き出した。


「よっっしゃぁぁいっ!―――と言いたいけど、俺の持っている資金で

大丈夫なのか......そこ?」


だって、ギルドマスターがお薦めする隠れ家だぞ。


一体どれだけお金がかかるんだ?


俺の世界でいうなら、ギルマスって社長クラスだろ?


そんなクラスの行く隠れ家って、想像からして、恐らく金貨数枚は

軽く飛んでいくんじゃね!?


これから迎える旅で一体どれくらいの路金が必要になってくるのか、

正直今の俺には良くわからない。


そんな中で迂闊なお金の消費をするのは、俺の命運が左右され

兼ねない事案だ。


だ、だがしかし!


バイイィィィイィィンには会いたいっ!!


果たして、ここは命を取るべきか...それとも欲求を取るべきか...


ぐぬぬぬぅぅぅぅうう―――っ!!


「ガハハハッ!そんな不安そうな顔をするなって、レンヤ!俺のお薦めは

そんな躊躇ほどの高級なお店でもねぇからよ!まぁ仮にもしもお金が

足りないって事にでもなったら、俺が代わりに払ってやるからよ!」


「ホ、ホントか、ギルマスッ!?」


「ああ。お前にはランカの件で感謝しているからな。そういう訳だから、

金の事は心配すんな♪」


「おおぉぉ!ギルマスゥゥゥッ!」


くうぅ~お前のヘソクリもいただく羽目になったというのに、なんて寛大な

心の持ち主なんだよ、このハゲ頭は!


「うっし!そうと決まれば、夜の明けは早い。お前の嫁さんに見つかる前に

タップリ楽しもうぜぃ♪」


ニヤッと口角を上げてギルマスが微笑んでそう述べると、年甲斐にもなく

ギルマスが駆け足で走って行く。


「だ、だから!あいつと俺はそんなんじゃないって何度も言ってるだろうっ!」


ルコールの事でからかってくるギルマスに、俺は文句を洩らしつつ、ギルマスの

行く後を早足で追いかけて行った。


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