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第百三十二話・伯父様とおじ様


「あ、そういえば。さっきあなたの騎士さんから聞いたんだけど、この城に

来る途中、賊に襲われたっていうのは本当なの?もし本当の事だったら、

この大陸を統治しているギガン城の王族として、あなた達には謝罪の念しか

ありませんわ!」


アリア達が賊から襲われた事を知ったリコットは、申し訳ないといった表情を

して、謝罪の言葉を口にしながら頭を下げてくる。


「もう何を言っているの、リコットは。あんたが謝罪する必要なんていちミリも

ないってば。それにね...私達を襲った賊っていうのがさ、その...と、とても

恥なんだけど。じ、実は私達の身内が依頼していたみたいなんだよ!」


「ア、アリアの身内が?もし差し出がましくなければ、その依頼主のお名前を

伺ってもいいかな?」


神妙な表情で身内の不始末の遺憾の意を口にしているアリアに、リコットが

その身内は一体誰なんだと訊ねる。


「いいですよ。そいつの名前は...私の伯父様でもあり、お父様のお兄様である、

ヴィレン...『ヴィレン・グラード・ナグザー』よ!」


「ザルジ皇帝のお兄様がそんな事を......。あ、でも確かグラードと言えば、

フォーラム帝国の第二級王族だよね?例え皇帝の兄だとしても、第一級王族で

ある貴女方に逆らえばどうなるか、それはわかりそうなものだと思うんだけど?」


「そこなのよ!私もそう思ったんだけどさ、何で伯父様はこんなバレバレの

暗殺をしてきたのかってさ?」


そう...仮に私達を暗殺できたとしても、私達がここに来訪している事は

ギガン城の人間なら誰も知っている周知の事実。


その私達がこの城に来ないとなると、ギガン城は他の国の王族を行方不明に

してしまった国というレッテルを貼られる可能性がある。


だからそんなレッテルを貼られてはたまらんと、国を上げて躍起になって、

私やお母様を探し出そうとするだろう。


それに私達を亡きモノにするのを失敗したら失敗したで、私達が帰国した後、

賊をけしかけた張本人として処罰を食らうのは必至。


私達を襲ってきた賊のひとりを捕縛しており、そいつから伯父様の行おうと

していた野望の裏は取っていますから。


「ねぇ、アリア。これは仮定な話だけどさ、もしかしたらヴィレン様の後ろには、

強力な組織(バック)がついている可能性があるんじゃ?そう...こんな大事(おおごと)を仕出かしても

揉み消せる程の強力な力をさ!」


「強力な組織......そうだね。あの小心者の伯父様がこんな大胆な事をする訳が

ないもんね。でもなるほど、強力な組織か......」


「まぁ、あくまでも私の仮定レベルの過ぎない話だけどね。でもその可能性は

決して否めな――――」


「ハァ~。こうなってくると、あのレンヤっていうおじ様が私の側にいて

くれたら、めちゃくちゃ心強くて安心だったのになぁ~~!」


「はう!?レ、レンヤ......お、おじ様!?」


アリアの口から突如出たきた...『おじ様』というキーワードに、年上大好きな

老け専のリコット王女が思いっきり食いつく。


「アア、アリアさん!そ、そのレンヤって言うおじ様はどんな人ですかっ!?

身長は?体重は?顔は可愛い系?強面(こわもて)系?格好いい系?」


テンションを抑えきれないリコットがアリアの両肩をガバッと掴むと、前後左右に

激しく揺らしてくて問い詰める。


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