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第百二十七話・極悪人みたいだな...


「えぇ!?な、何故ですか、ギルマス!?」


「お前の気持ちはわかる。だがよ、それをやっちまったら、さっきランカの

言ったように亡くなった者達に対してのお詫びもへったくれもありゃしなく

なっちまうんでな」


お前がお金を出してしまったら、お詫びの意味がないという理由にて

ミュミュからの寄付の申し出をギルマスはキッパリと断ってくる。


「まぁ、そういう訳だから。寄付の方は悪いが諦めてくれや!」


「はうう...そ、そんなぁ~!」


ランカへの寄付を却下しろと言われてしまったミュミュは、見た目でも

わかるくらいにガッカリし、顔を下に向けてショボンしてしまう。


「そ、それじゃあ、関係性のないボクは寄付してもいいですよね、ギルマス!

ボクもお世話になっているランカお姉ちゃんの為に寄付をしたいです!」


「だ、だったら、わたしも!わたしもランカお姉ちゃんに寄付をしたいです!

ランカお姉ちゃんにはいつも面倒をかけちゃっているから!そのお詫びも含めて

是非っ!」


断られ、しょんぼりしているミュミュを後目に、ムーホとステイが身を乗り出す

勢いで手を大きく挙手すると、自分達もお世話になっているランカに寄付を

したいと直訴してくる。


だが、


「ムーホ君、ステイちゃん。あなた達も駄目よ!」


「え!?な、何故ですか、ランカお姉ちゃん!?」


「だってあなた達、お金を沢山貯めて将来二人で一緒に住むお家を買うん

でしょう!そんな大事なお金をわたしなんかの為に使っちゃ駄目だよ!」


ランカはムーホとステイが将来の夢の為に頑張ってお金を貯めている事を

知っているので、ランカは首を左右に振って、二人の寄付もミュミュ同様に

断ってくる。


「そんな事を...わたしなんかの為にとか言わないでよ、ランカお姉ちゃん!

それにね、お金はまたいちから頑張って貯めればいいんだからさ!」


「そうだよ、ランカお姉ちゃん!恩人が...ランカお姉ちゃん困っているのに、

助けるチャンスがあるっていうのに、それを不意にしてまで家なんて買いたくは

ありません!」


「ステイの言う通りだよ、ランカお姉ちゃん!ステイもボクもランカお姉ちゃんに

いつか恩を返したいって思っていたんだ。だからその恩をボク達に返させてよ!

ランカお姉ちゃんから受けた大きな恩に対しては、この程度の恩返しじゃ、

まだまだ安いかもしれないけどさっ!」


ムーホとステイもミュミュと同じく、ランカの言葉に引くことなく、再度寄付を

したいと、強い意志の込もった熱い言葉にて妥案してくる。


「ムーホ君、ステイちゃん......ありがとね、本当にありがとね。うん、わかった!

お姉ちゃん、二人からの寄付をありがたく受け取らせて貰う事にするね♪」


ムーホとステイの熱意に負けたランカは、熱くなった目頭をスッと拭うと、

二人からの寄付を感謝を込めて受け取る事に決めた。


「............」


げ、激あつだな、少年、少女よ。


それにミュミュも、サオリナさんとギルマスも......。


な、なんかさ、これじゃあ、まるで俺がみんなから非道にお金を巻き上げようと

している極悪人にしか見えないんですけどっ!?


俺だって...俺だってさ、極悪人扱いされるよりも、ランカさんから沢山の感謝、

感激、雨あられの言葉を頂き得たいですぞっ!


よし、ならば......!


俺は眼をキランと輝かせると、


「はあぁぁぁいっ!俺もナイスバ......ゲフン、ランカさんに寄付しまぁぁぁすっ!」


盛大な勢いでに右手をビシッと天に突き出すように挙手して、自分もランカさんに

寄付したいと声を高くする。


が、


「アホかぁぁぁあぁぁっ!お前がこの中で、一番寄付を申し出ちゃいけねぇ人物

だろうがぁぁあぁぁぁっ!!」


俺のそんな儚い願いも虚しく、顔を真っ赤にして激お怒りのギルマスから

ド正論過ぎる言葉を叩きつけられ、俺の申し出はあえなく却下されてしまった。


「う、うぐ...。だ、だがよ、ギルマス!俺だって...俺だってランカさんから

熱烈なる感謝をされたいんだよっ!なのに、この空気感...これじゃ、俺の立場は

完全に泣いているものから極悪非道に金を巻き上げる悪者じゃねえかっ!」


俺はこの現在状況に納得がいかないと、駄々を捏ねまくって抗議すると、


「何を言っているんですか、レンヤさん。あなたの慈悲が一番感謝なんですよ!

あなたの慈悲がなければ、わたしは受付孃をクビどころか、もっと酷い状況化に

落ちいっていたかもしれないんですから!だからそんな事を言わないで下さい!」


そんな俺にランカさんが近づいて来て俺の両手をグッと握ると、ウルウルさせた

瞳で俺を顔をジッと見つめながら、感謝の込もった言葉(おもい)を伝えてくる。


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